研究課題
基盤研究(B)
本研究では交流電界の印加による細胞分裂の阻害メカニズムを解明するため,アフリカツメガエル受精卵を用いた実験と有限要素電場解析を行った.期待通りに細胞分裂の方向や細胞の致死を肉眼でも容易に観察しながら実験することができ,電界印加の効果として個体の奇形が認められた.解析では,細胞の形態や電気的特性が細胞内で生じる誘電泳動力の強度に与える影響をシミュレーションできることを示した.それにとどまらず,電気的特性や細胞分裂の角度などの不確かな要因が誘電泳動力に与える影響をタグチメソッドによって検討できることを示し,それらの変動の影響を受けにくいロバストな電界印加条件を明らかにした.
弱い交流電界の印加が細胞分裂に干渉することがアフリカツメガエル受精卵を用いた実験で示されたが,この受精卵をモデル細胞にして研究を進めるにはいくつかの課題があることが分かった.また,電場の数値シミュレーションとタグチメソッドを用いた検討から,生体の電気的特性や電界印加の方向などに変動があっても,その影響を受けにくい電界印加条件を明らかにした.これは,交流電界をがん治療に応用する際,治療効果を向上させるのに有用である.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
PLOS ONE
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IOP Conference Series: Materials Science and Engineering
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月刊「細胞」
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