研究課題/領域番号 |
18H03573
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
山中 由里子 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (20251390)
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研究分担者 |
小松 和彦 国際日本文化研究センター, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (90111781)
安井 眞奈美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40309513)
木場 貴俊 京都先端科学大学, 人文学部, 講師 (40816287)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (60704963)
大沼 由布 同志社大学, 文学部, 教授 (10546667)
黒川 正剛 太成学院大学, 人間学部, 教授 (30342231)
林 則仁 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (20738215)
野元 晋 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 教授 (10276420)
山田 仁史 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90422071)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
38,090千円 (直接経費: 29,300千円、間接経費: 8,790千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2018年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 驚異 / 怪異 / 想像界 / 自然観 / 超常認識 / 環境思想 |
研究実績の概要 |
ユーラシア大陸の東西の文明圏―主としてヨーロッパ・西アジアの一神教世界と東アジアの漢字文化圏―において、「自然」と「超自然」、もしくは「この世」と「あの世」の境界に立ち現れる身体・音・モノが、伝承・史料・民族資料・美術品などにどのように表象されているかを考察した。 大沼、黒川、林、山中が、基盤研究C「『創造の業』の系譜ーユダヤ教における『自由』と『偶像』の総合的研究」(代表:勝又悦子)と基盤研究C「ヨーロッパ中世における博物学的知識の伝承ー中東及び古代・近世との関わり」(代表:大沼由布)との連携において、一神教世界における「巨人」の表象についての公開シンポジウムや講演会の企画に関わった。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の宗教的言説における巨人のイメージの違いや、共通性を探った。 山中が日経新聞の文化紙面「美の十選」欄において「境界のクリーチャーたち」を連載し、人類が想像してきた幻獣の表象の様々な類型を紹介した。大きな社会的波及効果が得られたといえる。 分担者の安井が、『狙われた身体:病いと妖怪とジェンダー』を出版し、妖怪として可視化される病いについて民俗学とジェンダーの視点から考察した。同じく安井は、大阪大学総合学術博物館/国際日本文化研究センター主催の展覧会「身体イメージの創造ー感染症時代に考える伝承・医療・アート」(大阪大学総合学術博物館、2022年1月17日~2月12日)の企画に関わり、研究の社会的還元に貢献した。 分担者小松と安井が編集に関わった『妖怪文化研究の新時代』(せりか書房)が刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度も、コロナ感染症予防対策のための移動制限が厳しかったために、海外研究者を招へいしてのシンポジウムの開催はかなわなかった。しかし、限定的ながら海外調査を再開することができ、オンライン公開シンポジウム、および講演会等で成果公開を行うことができた。 国内の博物館(高知県立歴史民俗資料館、福岡市博物館)における成果公開展示の準備も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
メンバー各自がオンラインリソースやリモート発注などのシステムを利用したり、旅行が可能な範囲で国内外の文献、伝承、美術品、民族資料などの調査を行い、集めた関連データや資料を集積する。様々な文化圏・時代の驚異・怪異観念を相互比較するシンポジウムをオンラインで開催する。2019年に開催した国際ワークショップや、日本語で刊行した論集の内容を踏まえ、英文の論集の準備を進め、国際的な成果発表を行う。 高知県立歴史民俗資料館および福岡市博物館において展示を開催し、超自然的なものをめぐる人間の想像力の働きを理解するうえで最も効果的な視覚化を通して、研究成果の社会的な還元を行う予定である。 これらの活動を通して、人間の想像力と自然環境の関係性についてさらに考察を深め、報告書にまとめる。
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