研究課題/領域番号 |
18H03705
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
常定 芳基 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50401526)
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研究分担者 |
竹田 成宏 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (40360581)
有働 慈治 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50506714)
冨田 孝幸 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (70632975)
多米田 裕一郎 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (90467019)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
43,810千円 (直接経費: 33,700千円、間接経費: 10,110千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2019年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2018年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 宇宙線 / 超高エネルギー宇宙線 / エネルギースペクトル |
研究実績の概要 |
超高エネルギー宇宙線の起源解明のため、エネルギー10の19乗eV以上の宇宙線を米国ユタ州に建設した検出器「テレスコープアレイ(TA)」を長期間運用し、宇宙線のエネルギースペクトルや原子核組成、到来方向の異方性を測定することを目的とする。2種類の検出器、「地表検出器」と「大気蛍光望遠鏡」によるハイブリッド観測により、精度よく宇宙線のエネルギー、原子核種と到来方向を決定することが可能である。本研究では特にテレスコープアレイの拡張実験である "TAx4" を安定的に運用することが重要であった。2021年度もコロナ禍のために現地での検出器メンテナンスや対面実施での解析ミーティングなどを行うことができなかったが、遠隔操作による検出器運用のスキルが蓄積され、データ取得は継続することができた。得られた宇宙線のエネルギー分布、および到来方向を調べ、TAの視野において北方向から到来する宇宙線と、南方向から到来する宇宙線の到来頻度を調べ、エネルギースペクトルの形状が異なる可能性が示唆された。さらにエネルギースペクトルには興味深い特徴があることが見いだされた。宇宙線のエネルギースペクトルには複数の折れ曲がり構造があることが知られ、10の19乗eV手前の "ankle"、10の20乗eV手前の "cutoff" に加えて、10の19.5乗eV付近に第3の折れ曲がり(足の甲に当たる "instep" という呼称が提案されている)が見つかった。これは南半球で観測を行っている Pierre Auger Observatory とも一致する結果で、さらなる解析が待たれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため米国ユタ州の現地での検出器保守が行えず、2種類の検出器のうち「地表検出器」の稼働率が低下し(例年は95%以上)、また「大気蛍光望遠鏡」は稼働させることができなかった。ただし遠隔操作のスキルが向上したため、データ収集効率は2020年度よりは向上した。
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今後の研究の推進方策 |
超高エネルギー宇宙線の到来頻度は低く、そのため面積700平方キロメートルを擁するTA、およびその拡張である TAx4 を建設し、長期間の観測時間を確保する必要があったが、コロナ禍の状況で検出器遠隔操作だけでは限界があった。依然として人員派遣が可能な状態ではなかったが、昨年度よりも向上したデータ収集効率で検出器運用し、得られた豊富なデータによる解析をすすめる。特にエネルギースペクトルの形状分析と方向依存性に着目している。
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