研究課題/領域番号 |
18H03757
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高松 洋 九州大学, 工学研究院, 教授 (20179550)
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研究分担者 |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 教授 (20325509)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2019年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2018年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
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キーワード | 熱伝導率 / 生体高分子材料 / 測定法 / 高機能材料 / DNA固体膜 / クモ糸 / タンパク質素材 / ポリスチレン |
研究成果の概要 |
本研究は,新しい機能や性質を有する新素材として有望なタンパク質素材開発の基礎を確立することを最終的な目的とし,優れた機械的特性を示すクモの糸,および水分含有量で機械的性質が極端に変化するDNA固体膜を対象として熱伝導率測定を行った.これらのタンパク質素材の特性は分子の配向により改善されるためファイバーや薄膜形状を有する場合が多く,かつ不導電性である.したがって,このような固体の測定に適した熱伝導率測定法を考案したうえで実際の測定を行った.その結果,DNA固体膜の熱伝導率は0.38 W/(m・K),クモ糸は1.9 W/(m・K)であり,いずれも通常の高分子化合物より高かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高機能構造タンパク質は,優れた機械的特性を示すだけでなく,電気伝導性と熱伝導性が相反するといったこれまでにはない性質を有するが,熱伝導率の測定は容易ではない.本研究で考案したITX法は,細線等の測定に用いられるT型センサ法の弱点を克服した新しい方法であり,2021年度の日本熱物性学会賞を受賞したことからもその方法の有用性は明らかである.また,DNA固体膜の熱伝導率をはじめて測定したこと,および夢の素材と考えられているクモ糸の熱伝導率が金属並みに高いことを報告した既往の結果は誤りである可能性が高いことを示した点は,今後のタンパク質素材の開発に有用である.
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