研究課題/領域番号 |
18H03818
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 太裕 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00344482)
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研究分担者 |
島 弘幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
梅野 宜崇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40314231)
井上 昭夫 近畿大学, 農学部, 教授 (80304202)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
40,040千円 (直接経費: 30,800千円、間接経費: 9,240千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2018年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 空間周期性 / 構造安定論 / 座屈強さ / 座屈変形 |
研究実績の概要 |
私たちの身の回りにある自然現象には、数多くの不思議な「空間周期パターン」が何気なく存在する。しかしその何気ない空間周期パターンの発生には、いずれも何らかの合理的意味・力学的必然性があると考えられる。本研究はこの空間周期パターンを形成する性質(=空間周期性)を構造力学・構造安定論的見地から深く洞察し、その存在理由・根源的意味を理論的に解釈するとともに、その新知見を基盤とする従前まで当たり前とされた概念を覆す社会・構造システム設計思想の構築を目的とする。この研究目的を達成するために、5年間の研究計画の第4年度である2021年度も初年度から第3年度に引き続き研究代表者・分担者間で密な議論を行い以下の空間周期性に関わる構造力学研究を実施し、主に植物模倣科学の観点から以下の成果を挙げた。 ・空間周期性を有する植物の代表的なものの一つである竹について検討を進めた。具体的には、「竹竿」の曲げ特性を、独特なテーパー形状との関係性から大変形解析により明らかにし、竹の形状が曲げ応力を効果的に低減していることを示した。 ・自重座屈の観点から、樹木の限界高さに関する力学理論を構築することを試み、枝葉が自身の幹の高さを増すのに効果的に配置されていることを解析的に実証した。 ・フキなどの断面内に周期性を有する形態の解析に着手し、その力学的合理性の一端を明らかにした。特にフキの独特な馬蹄形断面が、荷重の非対称性(葉が特定の方向についている)と密接に関係していることを新たに示した。さらに、非円形断面を有する植物の断面形状を解析的に表示するGielis曲線の導入により、新しい定式化を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に引き続きコロナ禍で、大学での研究活動に制約を受ける時期があったものの、年度を通してみると概ね当初想定していた研究計画を遂行することができた。また、成果のうちの多くを論文発表、研究発表をすることができ、その一部は各種メディアで紹介されるなど、インパクトのある成果を挙げることができたと自己評価している。このことから上記区分が妥当であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2022年度においては、これまでの研究の総括を行うとともに、新たに着手した研究の展開も検討している。特に植物模倣科学(プラントミメティクス)の観点で大きな成果が出つつあることから、これらをさらに進展させ大きな研究展開につながるように、新しいアイデアを常に出しながら研究を進めていく予定である。論文、学会発表として未公表部分の公表も積極的に行っていく予定である。
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