第一原理計算とインフォマティクスを活用した新しい高イオン伝導性結晶の探索

• 研究課題/領域番号: 18H03843
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 中区分26:材料工学およびその関連分野
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (70183861)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円); 2020年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円); 2019年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円); 2018年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
• キーワード: 新規物質探索 / インフォマティクス / 並列合成実験 / 推薦システム / 合成条件予測モデル / 第一原理計算 / 統計熱力学計算 / 機械学習 / インフォマティックス

研究成果の概要

マテリアルズインフォマティクスを用い合理的な材料探索を可能にするために、多数の合成実験を並列して実行するための技術開発、獲得したデータから全く未知の物質であってもその合成条件を予測する技術、並びに予測結果をフィードバックし逐次予測モデルを改善する技術を開拓し、一連の材料探索の流れを構築した。具体的には、約24万件を対象とした酸化物の合成条件空間のうち1000件程度を学習データとし、低ランク性を仮定したテンソル分解法を適用し、未実験の合成条件に対してその合成成否を予測する推薦システムを構築し、その予測精度の検証を行った。その結果、新し材料探索の流れを構築することができたと考えている。

研究成果の学術的意義や社会的意義

新規材料の発見を目指して，並列合成実験により1000件規模の酸化物の合成条件データベースを作成し，テンソル分解に基づいた「推薦システム」を構築した。
これまで合成研究者の勘と経験に頼ってきた試行錯誤的な物質合成に、多数のデータに基づいた機械学習手法からの合成成功条件の推薦結果を合わせることで、より効率的に新規物質の探索を行うことが可能になる。

研究成果

• [雑誌論文] Application of machine learning potentials to predict grain boundary properties in fcc elemental metals (2020)
  • 著者名/発表者名: Takayuki Nishiyama, Atsuto Seko, and Isao Tanaka
  • 雑誌名: Phys. Rev. Materials 巻: 4 号: 12 ページ: 123607-123607
  • DOI: 10.1103/physrevmaterials.4.123607
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] First-Principles Study on the Stability of Weberite-Type, Pyrochlore, and Defect-Fluorite Structures of A23+B24+O7 (A = Lu3+?La3+, B = Zr4+, Hf4+, Sn4+, and Ti4+) (2020)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto Ushio、Ogawa Takafumi、Kitaoka Satoshi、Moriwake Hiroki、Tanaka Isao
  • 雑誌名: The Journal of Physical Chemistry C 巻: 124 号: 37 ページ: 20555-20562
  • DOI: 10.1021/acs.jpcc.0c05443
  • 査読あり
• [雑誌論文] Solution effect on improved structural compatibility of NiTi-based alloys by systematic first-principles calculations (2019)
  • 著者名/発表者名: Lee, Joohwi, Ikeda, Yuji and Isao Tanaka
  • 雑誌名: JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 巻: 125(5) 号: 5 ページ: 055106-055106
  • DOI: 10.1063/1.5051630
  • NAID: 120006767914
  • 査読あり
• [学会発表] スラリーを用いた並列固相反応合成における溶媒の検討 (2021)
  • 著者名/発表者名: 須賀隆裕、林博之、田中功
  • 学会等名: 日本金属学会 2020年春期第168回講演大会
• [学会発表] 機械学習ポテンシャルを用いた結晶粒界構造の探索 (2021)
  • 著者名/発表者名: 西山隆之、世古敦人、田中功
  • 学会等名: 日本金属学会 2020年秋期第167回講演大会
• [学会発表] 第一原理フォノン計算を用いた Mg {10-12} 双晶界面の解析 (2020)
  • 著者名/発表者名: 溝上慧祐、田中功
  • 学会等名: 日本金属学会 2020年春期第168回講演大会
• [学会発表] Data driven discovery of new materials 2 (2019)
  • 著者名/発表者名: Isao Tanaka
  • 学会等名: 1st Workshop on Materials Informatics in Xi'an (MIX)
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Data Driven Discovery of Novel Mateials (2018)
  • 著者名/発表者名: Isao Tanaka
  • 学会等名: Ceramic Materials and Components for Energy and Environmental Applications(CMCEE) Conference
  • 国際学会 / 招待講演