研究課題/領域番号 |
18H03949
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
嶋田 透 学習院大学, 理学部, 教授 (20202111)
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研究分担者 |
永田 晋治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40345179)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)
2020年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2019年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2018年度: 21,710千円 (直接経費: 16,700千円、間接経費: 5,010千円)
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キーワード | 食性 / カイコ / エリサン / 感覚神経 / 植物毒素 |
研究成果の概要 |
カイコは通常クワ単食性であるが、クワ以外の餌を摂食する広食性変異体が存在する。エリサンはヒマ食性であるが、シンジュサンはヒマでは成長できない。カイコ変異体の遺伝学的解析およびエリサン・シンジュサンの種間交雑を行った結果、カイコでは責任遺伝子をほぼ特定し、エリサンでもゲノム上の候補領域を絞り込むことができた。シンジュサンがヒマで成長できない理由は、葉に含まれる毒素リシニンであると推定された。RNA-seq解析でヒマ育のエリサン中腸で特異的に発現する遺伝子を探索した結果、チトクロームP-450やニトリラーゼなどの遺伝子の転写物が増加していた。それらがヒマへの耐性に関与していることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植食性昆虫の多くは単食性または狭食性であり、限られた寄主植物のみを食害する。この昆虫・植物間の関係の特異性は、生態系の成り立ちを理解するために重要なテーマであるとともに、害虫防除や養蚕分野の問題解決に必要な課題でもある。本研究は、植物が食害への防御のために作り出す化合物(毒素)に対して、昆虫がどのような遺伝子を進化させて、それらに対抗してきたか、そのメカニズムの一端を明らかにした。特に、エリサンでは家畜化に伴って食性が大きく変化し、新しい餌であるヒマへの適応を果たしたことを示すとともに、その適応の分子機構の一部を解明した。
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