研究課題
基盤研究(A)
ヒトiPS細胞よりヒト造血幹細胞およびヒト胸腺上皮細胞への分化誘導を行った。研究期間4年間で、様々な分化条件の検討を行い、免疫不全マウスへの移植を行った。しかし、想定された分化造血幹細胞の移植によっても、ヒト造血細胞が検出できず、当初予定したヒト化マウスの標準化には届かなかった。一方で、新たに開発したNOG-W41マウスはヒト造血幹細胞移植のレシピエントとして極めて有用な免疫不全マウスであった。すなわち、NOG-W41マウスへの造血幹細胞移植はNOGマウスと比べ、X線照射をしなくても極めて少数の細胞でも生着すること、NOG-W41マウスに生着したヒト造血細胞はNOGマウスへ二次移植できた。
ヒト疾患やその治療の研究、検証のためには、ヒトの細胞や組織を持つヒトマウスは極めて有用である。このヒト化マウスの標準化のために、ヒトiPS細胞よりヒト造血幹細胞やヒト胸腺上皮細胞への分化の検討を行った。この4年間で十分な結果は出せなかったが、今後とも重要なテーなである。一方でヒト化マウス作製のための新しい免疫不全マウスを作出できた。このマウスを使うことで少数の造血幹細胞でヒト化マウスができるようになれば、より安価にヒト化マウスを使うことができるようになる。
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J Cell Physiol.
巻: 233 号: 5 ページ: 3723-3728
10.1002/jcp.26045