研究課題
基盤研究(A)
翻訳制御に関する研究を行い、以下の成果を得た。(1)蛍光標識したpre-miRNAを培養細胞にインジェクションし、miRNAの動態を蛍光相関分光法と1分子イメージング法で解析した。1分子のmiRNAが細胞骨格に沿って運動する様子が観察された。(2)SecM、mRNA、リボソームからなる翻訳アレスト複合体をカバーガラスと磁気ビーズに結合させ、負荷を加えた。その結果、負荷依存的に翻訳アレストが解除されることを明らかにした。(3)ストレス顆粒内のmRNAを蛍光標識して超解像顕微鏡観察した。ストレス顆粒内にはmRNAが高密度で存在している領域と低密度で存在している領域があることを発見した。
DNA に蓄えられた遺伝情報は一時的にmRNA にコピーされ、リボソームによってタンパク質に翻訳される。翻訳の制御は、生命活動の根幹に関わる重要なプロセスであり、その制御機構を分子レベルで理解する必要がある。本研究は、新たな遺伝子発現制御機構として注目されているRISCの形成機構、ストレス顆粒の形成と維持機構、翻訳アレストの分子機構について新たな知見を得ることに成功しており学術的な意義がある。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Biochemical Journal
巻: 477 号: 2 ページ: 557-566
10.1042/bcj20190723
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~funatsu/