研究課題/領域番号 |
18H03989
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
野田 展生 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 部長 (40396297)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2019年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2018年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 液-液相分離 / オートファジー / Atg1複合体 / 天然変性タンパク質 / 高速AFM / リン酸化 / 液滴 / 再構成 / オートファゴソーム形成場 / 液-液相分離 |
研究成果の概要 |
PASはオートファジーの進行に必須な構造体であるが、その実体は長らく不明であった。本研究ではまず出芽酵母におけるPASの性状を解析し、その実体は流動性の高い液滴であることを明らかにした。さらに精製タンパク質を用いた解析により、Atg1複合体が液-液相分離して液滴を形成すること、液滴内ではAtg17がランダムな配向で局在していること、この液滴がPASの構築に働くことを明らかにするとともに、Atg13のリン酸化状態がAtg1複合体の相分離を制御し、それがPASの構築自体を制御していることを明らかにした。さらに液胞膜上に局在するPASを人工膜を用いてin vitro再構成することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の液-液相分離は様々な生命現象への関与が示唆されている新しい概念であるが、それがオートファジーのマシーナリーの制御に働くという今回の発見は、オートファジーの基本的なメカニズム解明に多大な貢献をするばかりでなく、液-液相分離の分野においてもその関与の対象がこれまでの想定以上に大きいことを強く示唆する画期的な成果である。オートファジーは生体の恒常性維持の機構として重要な役割を担い、その異常は神経変性疾患などの重篤な疾病につながることが知られている。本研究成果は、相分離の制御を通した全く新しいオートファジー制御剤の開発の可能性を提唱するものであり、今後の応用研究が期待される。
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