研究課題
基盤研究(A)
大腸がん組織を構成するがん細胞の遺伝的な多様性が関与する悪性化機構について、ドライバー遺伝子変異マウスモデルおよびオルガノイドモデルを用いて研究を実施した。その結果、粘膜下浸潤や脈管浸潤などの原発巣の悪性化や、転移巣形成に関与するドライバー遺伝子変異の組み合わせやp53変異の関与を明らかにした。さらに、転移能を獲得したがん細胞が肝組織内に線維性微小環境を形成し、それにより非転移性がん細胞の生存や増殖が促進されて、ポリクローナル転移巣が形成されることを明らかにした。以上の成果は、大腸がんの悪性化および転移機構に関する新しい概念の樹立に貢献が期待される。
がんによる死亡原因の多くは転移再発が占めており、その克服のためにも悪性化および転移機構の理解は重要な研究課題である。これまでに、遺伝子変異の蓄積が悪性化を誘導する「多段階発がん」の概念が樹立している一方で、がん組織における遺伝的多様性が悪性化に関与することも指摘されている。本研究成果は、遺伝学的解析により、粘膜下浸潤や転移等の悪性化を誘導するp53遺伝子を含むドライバー遺伝子変異の関与を明らかにして、多段階発がん機構の理解を広げた。さらに、遺伝的多様ながん細胞集団によるポリクローナル転移機構を個体レベルで明らかにしたことで、新たながん転移機構の概念の樹立に貢献した。
すべて 2022 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 6件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 5件、 招待講演 17件) 図書 (2件) 備考 (4件)
Biomaterials
巻: 280 ページ: 121256-121256
10.1016/j.biomaterials.2021.121256
The Journal of Pathology
巻: 257 号: 1 ページ: 39-52
10.1002/path.5868
Gastroenterology
巻: 162 号: 4 ページ: 1067-1087
10.1053/j.gastro.2021.12.252
Journal of Cancer Prevention
巻: 27 号: 1 ページ: 1-6
10.15430/jcp.2022.27.1.1
Oncogene
巻: 40 号: 17 ページ: 3072-3086
10.1038/s41388-021-01757-x
Nature Communications
巻: 12 号: 1 ページ: 863-863
10.1038/s41467-021-21160-0
巻: 11 号: 1 ページ: 2333-2333
10.1038/s41467-020-16245-1
巻: accepted 号: 22 ページ: 4250-4263
10.1038/s41388-019-0702-0
Proc Natl Acad Sci USA
巻: 116 号: 31 ページ: 15635-15644
10.1073/pnas.1904714116
J Mol Cell Biol,
巻: Epub. ahead of print 号: 4 ページ: 1-10
10.1093/jmcb/mjy075
120006605142
Interleukin 1 Up-regulates MicroRNA 135b to Promote Inflammation-Associated Gastric Carcinogenesis in Mice
巻: 156 号: 4 ページ: 1140-1155
10.1053/j.gastro.2018.11.059
120006621945
FASEB J.
巻: 33 号: 2 ページ: 1873-1886
10.1096/fj.201801176r
120006621946
Advances in Biological Regulation
巻: 印刷中 ページ: 39-45
10.1016/j.jbior.2018.02.001
120006473980
http://genetics.w3.kanazawa-u.ac.jp
https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/en/gut-feeling-visualizing-intestinal-tumors/