研究実績の概要 |
免疫の恒常性維持や、その破綻によって生じる自己免疫疾患において、代謝の重要性が指摘されている(免疫代謝:Immunometabolism)。研究はこれまで免疫・炎症制御に関わる一群の分子群の存在(免疫セマフォリン)の役割を明らかにしてきた(Nature 2002, Nature 2007, Nat Immunol. 2008, Nat Immunol 2010, Nature 2010, Nature 2012, Nature Commun 2013, Arthritis Rheumatol, 2015)。研究代表者は、発現調節メカニズムの解析の中で、代謝・栄養センサーであるmTOR関連シグナルの免疫・炎症制御への関与を示す知見を得た(Nature Commun 2016, Nature in press)。本研究では、「免疫代謝:Immunometabolism」をキーワードに、免疫と代謝の相互連関メカニズムと自己免疫疾患病態への関与を明らかにし、免疫操作法の確立に繋げる成果を目指した。今年度は基盤S交付確定までの短期間ではあるが、その解析基盤として、セマフォリン関連遺伝子改変マウスの作成、免疫調節バイオアッセイシステムの確立、代謝測定システムを免疫細胞、特にマクロファージで評価できるシステムを確立している。
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