研究課題/領域番号 |
18H05206
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 滋 千葉大学, ハドロン宇宙国際研究センター, 教授 (00272518)
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研究分担者 |
石原 安野 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40568929)
清水 信宏 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (60869395)
永井 遼 千葉大学, 大学院理学研究院, 特任助教 (00801672)
間瀬 圭一 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (80400810)
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研究期間 (年度) |
2018-04-23 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
534,820千円 (直接経費: 411,400千円、間接経費: 123,420千円)
2022年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
2021年度: 48,880千円 (直接経費: 37,600千円、間接経費: 11,280千円)
2020年度: 138,710千円 (直接経費: 106,700千円、間接経費: 32,010千円)
2019年度: 231,660千円 (直接経費: 178,200千円、間接経費: 53,460千円)
2018年度: 90,610千円 (直接経費: 69,700千円、間接経費: 20,910千円)
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キーワード | 宇宙線 / ニュートリノ / 素粒子実験 / 南極 / 超高エネルギー宇宙線 / ニュートリノ天文学 / マルチメッセンジャー天文学 |
研究実績の概要 |
D-Egg の第3弾(Batch 3)検出器の製作を完了し、総計310台のD-Egg 検出器の製作が完了した。製作した検出器の低温環境化での負荷と性能を測定・評価し、南極に出荷する検出器を選別する大規模試験 FAT(Final Acceptance Test)を開始した。氷点下60度にまで冷却できる大型冷凍庫内にD-Egg 検出器を設置し、レーザー光源からの紫外光を照射して信号応答やノイズレベルを測定する。データ収集系や解析システムはほぼ自動化され、最終的な結果はデーターベースに記録される。今年度末までに105台の評価を完了した。
マルチメッセンジャー天文学を開拓する新しいニュートリノ同定の手法として、ある一定期間(典型的には30日程度)に同一方向から複数のニュートリノ信号が飛来する事象を探索する「マルチプレット」手法について開発研究を進めた。ニュートリノ放射天体モデルへの知見や、光赤外追観測による対応天体同定手法についてシミュレーション研究による見積もりを終え、予想される感度について論文をAstrophysical Journal 誌に出版した。
10PeVを超えるエネルギーを持つ超高エネルギー宇宙ニュートリノ探索は、必要なシミュレーションデータの生成を終え、最終的な同定アルゴリズムの構築に入った。先行研究にはない新しい切り口として、ミューオンのエネルギー損失のプロファイルを用いて大気ミューオン束雑音を除去する新手法に取り組んでいる。また生成されたシミューレーションデータを用いて IceCube-Gen2 実験の予想感度も導出した。この結果はIceCube-Gen2 white paper としてJournal of Physics 誌に出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症による遅延はあったが、その困難を乗り越えて、全てのD-Egg検出器の製作を完了し、最終選別試験の開始にまでこぎつけたことは一定の達成である。またニュートリノマルチプレット解析など、新たな発想によってブレークスルーを出すための種まきとなるテーマも推進し、論文出版にまで至ったことも評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
D-Egg の FAT を進め、全310台の検出器の試験と選別を完遂する。南極に輸送し、埋設を進め、IceCube Gen2 フェーズワン実験による観測を開始する。 またフェーズ2に向けたプロトタイプ検出器の開発と製作も行う。
ニュートリノマルチプレット解析については、アーカイブデータを用いた解析を行い、結果を論文にまとめるとともに、リアルタイムアラート送信を開始する。
超高エネルギー宇宙ニュートリノ探索は12年間におよぶ観測データを使った解析を完遂し、論文にまとめる。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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