研究課題
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本研究は、固体条件で電子・イオンを輸送・貯蔵可能な高分子の新規開拓と、その電気化学特性の解明を目的とする。当初の研究計画に従い、主鎖・側鎖に脂肪族エーテル、酸化還元席として2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル(TEMPO)やビオロゲンを導入した酸化還元活性ポリマーを精密合成した。一連のポリマーは高分子固体条件においても迅速かつ高速に酸化還元可能であり、電子・イオン双方の輸送能を有することを明らかにした。電子伝導性の更なる向上のため、単層カーボンナノチューブとのナノ複合体も作成した。電極の大規模・均質成膜が成果集積のボトルネックと判断し、研究計画を前倒しして全自動の塗工装置を導入した。成膜した電極は新規に合成したポリイミダゾリウム系電解質フィルムと積層することで全固体有機二次電池として動作実証・評価した。"ソフト"な性質を有するポリマー電極の伸縮耐性にも着眼し、完全にストレッチャブルな部材からなる二次電池も世界で初めて報告した。試作電池の総厚はわずか1μm程度と極めて薄く、皮膚に直接密着して貼り付け可能なバイオセンサ等、全く新しい用途での電池利用が期待出来る。ナノ繊維としての超分子ネットワークを形成する酸化還元活性分子も新規に合成し、超分子ゲルからなる全有機二次電池も試作、その電気化学過程を明らかにした。高分子固体の伝導度を高精度で予測するための方法論として、機械学習モデルの利用も新規に検討した。実験情報を精確に記述可能なデータベース・モデルの適用により、低分子添加剤等を含む複雑な混合状態においても、その伝導度を高精度で予測可能なことを明らかにした。一連の成果はアメリカ化学会等の学術誌や国内外の学会での口頭発表にて報告した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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