研究課題/領域番号 |
18H05991
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
影島 洋介 信州大学, 工学部, 助教(特定雇用) (20821846)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光電気化学 / 光電極 / 湿式太陽電池 / レドックス反応 / 光電気化学反応 / 非水系溶媒 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、1電子反応のレドックス対を含む非水系電解液中での光電気化学反応を利用した高開放端電圧の湿式太陽電池の開発を目的としている。より長波長域の光までを利用できるナローギャップ材料として、ZnSeとCdSeの固溶体(ZnxCd1-xSe)光アノードに着目した。 ZnxCd1-xSe光アノードから成る非水系湿式太陽電池は、約1.3 Vという水の理論電解電圧を超える開回路電圧を一段階光励起過程で示した。大気中光電子分光測定によってZnxCd1-xSeの価電子帯上端(VBM)位置を実測し、固液界面でのレドックス電位とバンド端位置を明らかにした。Ru錯体の平衡電位は水の酸化電位より貴であり、かつ半導体のVBMよりわずかに卑であったため、光励起生成ホールによるレドックス反応の進行が可能であり、貴なレドックス電位と比較的卑な光アノードのオンセット電位が、高開放端電圧の実現に寄与したことが示された。一方、特にZnの比率が高いワイドギャップ材料を用いた場合、半導体の伝導体下端位置に比べてオンセット電位が貴であることが確認された。照射する光の強度を増加することでオンセット電位が徐々にネガティブシフトしたことから、バンド内に位置する界面準位がオンセット電位を支配している可能性も示唆された。従って、更なる開放端電圧の向上にはこうした界面準位の不活化が重要であると考えられる。 特に良好な特性を示したZn0.25Cd0.75Seのバンドギャップエネルギー1.84 eVに対して、得られた光起電力1.32 Vはバンドギャップの72%に相当する。このことから本研究は、半導体材料のバンドギャップエネルギーの大部分を光起電力に変換可能な新たな光電気化学セルのコンセプトを提示できたものと言える。これらの成果に関しては国際学会で報告予定であり、国際学術誌へも投稿準備中である。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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