研究課題
研究活動スタート支援
ADAR発現抑制時にRNA:DNA特異的抗体を用いた解析によりRNA:DNA鎖量が増加していることが確認された。新たにFlag-ADAR免疫沈降産物の解析により、RNaseH1, RNaseH2ABC, DHX9, DHX21などRNA:DNA鎖分解酵素や二本鎖を巻き戻すヘリケース群がADARと複合体を形成していることを発見した。RNA:DNA特異的抗体用いた、またはADARを対象とした免疫沈降物から精製したRNA及びDNAの配列解析の結果から、R-loopと思われる領域候補が同定できたが、ノイズの高い問題が避けられないため、追加のR-loop特異的な免疫沈降法による精度向上が必要と判断し、RNA分解能失活変異を導入したFlag-RNaseH2ABC複合体発現系の作製を進めている。他方、培養細胞の表現型としてADAR発現抑制時にはγH2AXだけでなくRPA32やDNA-PKCsのリン酸化状態の上昇が観察され、DNA損傷の増大と修復系の活性化が示された。さらにCyclin B1だけでなく、Histon3、CDC2、PLK1のリン酸化状態の解析結果から、細胞周期のうち、顕著に細胞分裂期における停止しが明らかとし、これら表現型にともなうアポトーシスをPARP1分解の検出により確認した。これらはADARがRNA:DNA鎖量の増加を抑制することを示しており、ADARがR-loopの解消に寄与していると考えられる。さらに、がん細胞はADAR発現抑制時に、抗がん剤かつR-loop増加作用をもつカンプトテシンに対して数百倍の感受性を示して細胞死に至ることを発見した。加えて、ADAR発現抑制とカンプトテシン添加時の細胞周期をフローサイトメトリーにより解析し、細胞分裂期における細胞周期停止を確認した。ADAR発現抑制によるがん細胞のカンプトテシン感受性増強効果を証明した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Methods Mol. Biol.
巻: in press
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