研究課題
特別研究員奨励費
二年目の研究実施状況として、想像性に着目し、想像性がメタ認知の自己の明瞭性と情動制御にもたらす作用を、①個人差の次元、②行動実験で観察可能な次元の両側面から検討した。以下に、その概要を示す。結果として、Interpersonal Reactivity Index (IRI-J) の想像性の高さはTMMS-Jのclarityとrepairの高さを予測すること、その関連性は、IRI-Jの視点取得および個人的苦悩により調整されることがわかった。本研究で得られた知見を踏まえると、‘‘他者がどのような状態にあるかについて正確に理解すること’’には、視点取得と個人的苦悩だけではなく、想像性の役割が必要不可欠であることが示唆される。本研究では、メタ認知に対する視点取得と個人的苦悩の役割を再確認したという点において、先行研究を追試した。そして、これまで焦点づけされていなかった想像性の役割とメタ認知の下位因子である自他区別、情動制御とのかかわりを解明したという点において、従来の共感性の研究をさらに拡充するものである。個人の想像性を高める実験操作として物語解釈に着目し、独立変数として行動実験を行うための実験刺激を作成した。男子大学生を対象とした予備実験を実施し、おおむね良好な結果が得られたため、再度課題を微調整した後、本実験を実施する予定である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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