研究課題
特別研究員奨励費
私はこれまで、人工力誘起反応法を固体系へ拡張することで結晶構造および反応経路探索法(PBC/AFIR法)の開発を行ってきた。本研究ではPBC/AFIR法の応用として、①複雑系への応用を行った。また、②高圧条件下での結晶構造探索をできるように手法の拡張を行った。また、③実験との共同研究も実施した。①複雑系への適用:本手法を用いて炭化ケイ素の結晶構造探索を行なった。得られた構造に対しバンドギャップの計算も行い、構造の特徴との関連を議論した。探索の結果、10000構造以上が得られた。この中には熱力学的に安定で欠損を有し、バンドギャップがこれまで報告されているものよりも小さい構造が得られた。②高圧条件下での結晶構造探索:ポテンシャルエネルギー曲面に圧力と体積の積を加えたエンタルピー曲面上をPBC/AFIR法を用いて探索することで、任意の圧力下での結晶構造探索、反応経路探索を可能とした。本手法の適用例として、炭素結晶構造探索を0 GPaと100 GPaでそれぞれ行った。100 GPaでは 0 GPaに比べ、密度の高い分布が得られた。また、100 GPaではダイヤモンドよりも密度の高い3つの新規構造が得られた。③実験グループとの共同研究岡山大学の羽田助教(当時)とカーボンナノチューブを束ねたものを加熱することで、カーボンナノチューブ間に存在するアモルファスカーボンがグラファイト様構造に変化する過程の反応経路を解析し、最適な加熱時間や温度条件の予測を行った。さらに、横浜国立大学の藪内教授とは、リチウム酸化物を結晶構造探索を行い、準安定構造の構造解明を試みている。また、物質・材料研究機構の若原博士とフラーレン/ポルフィリン共結晶の近赤外光応答の実験に対する、理論計算の共同研究も実施した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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