研究課題/領域番号 |
18J10628
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
陳 曦 大阪大学, 言語文化研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 複合語 / アクセント / 融合アクセント / 非融合アクセント |
研究実績の概要 |
2019年度はこれまでの東京方言話者に関するアクセントの融合・非融合現象の研究から大きく視野を広げた。まず,アクセントの融合・非融合の地域差を検討するため,近畿方言話者に対する聴覚的自然度調査を行った。その結果及び2018年度の東京方言話者に対する調査結果との比較により,以下のことが分かった。①アクセントの融合・非融合については,東京話者より,近畿話者の方が非融合を選択することが多い。②近畿話者においても,同一の複合名詞の場合,そのアクセントの融合と非融合の使い分けに,焦点の当て方の違い,つまり後部要素の意味に焦点を当てるか否かが影響している。 また,院政期以前の複合名詞(5拍)のアクセントについて,桜井茂治 (1958) 「平安・院政時代における複合名詞のアクセント法則-五音節語を資料として-」の記述をアクセントの融合・非融合の観点から整理し,そして『日本語アクセント史総合資料-研究編』における3+2拍と2+3拍の複合名詞のアクセントを調べた結果,「非融合アクセント」の適用範囲が現在の東京方言と近畿方言より広かった可能性を明らかにできた。 さらに,非融合アクセントの具体的な形を検討し,聴取調査を行った結果,文における非融合アクセントの発音において,後部要素のアクセントを弱めない発音より,弱める発音の方が,聴覚的自然度が高いことが示唆された。 以上のように,複合語アクセントの全体的な流れとして非融合型主流から融合型主流へという方向性がある中で,意味によって非融合型と融合型を区別しようとする働きが現在の東京方言と近畿方言にはあり,その中でも東京方言より近畿方言の方がより非融合型が保たれている,という結論が得られた。 2019年度の一連の成果は本研究が目指す,多角的に複合語のアクセント融合・非融合という現象を検討するものであり,この現象の全容を捉えるうえで非常に重要な成果である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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