研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、二種類の電極材料について評価した。一つ目は、前年度合成し、その反応機構の解明に取り組んできた、FeS2と低結晶性のP-Sの微粒子から構成される電極材料である。本年度は、その電子伝導性やLi+拡散係数を調べ、前年度得られた充放電特性との関係性について調べた。合成したFeS2とP-Sの微粒子から成る複合電極材料では、室温においては電子伝導性が充放電反応の律速となり、一方、80℃や100℃のような高温ではLi+の拡散が充放電反応の律速となっていることがわかった。二つ目は、これまで太陽電池の光吸収材料として研究されてきたペロブスカイト型有機-無機ハイブリッドハロゲン化鉛(HHP)である。特に、Li+が層間を挿入・脱離するインサーション反応を示す可能性のある二次元構造を有する系(2D-HHP)について、全固体電池用電極材料として評価した。2D-HHPを用いた全固体電池は、室温において充放電挙動を示し、HHPが全固体電池の電極材料として機能することがわかった。さらに、充放電特性を向上させるため100℃において充放電試験を行った結果、およそ250 mAh g-1の可逆容量を示すことが確認された。さらに、充放電時における2D-HHPの生成物を同定することで、その反応機構を調べた結果、インサーション反応、コンバージョン反応、合金化・脱合金化反応の三段階のプロセスで反応が進行することがわかった。以上の結果から、HHPが全固体電池用電極材料になり得ることを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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