研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、これまでに中枢性脳卒中後疼痛(central post-stroke pain; CPSP)モデルマウスを用いて、実験1)ミクログリアの除去により痛覚回路からの側枝形成が抑制されることを明らかにし、実験2)ミクログリア及び側枝形成に関連する候補遺伝子を同定した。そこで、平成31年度では、実験1-α)痛覚回路再編と疼痛関連行動の関係性を検証すると共に、実験3)上記の候補遺伝子の中からミクログリアに発現する遺伝子に着目し、その役割を解析した。実験1-α)においては、皮質体性感覚野(S1)第4層(L4)で認められる再編した痛覚回路特異的にinhibitory DREADD receptorを発現させるために、S1へAAV-retro-Cre、視床後核へinhibitory DREADD receptorを注入する実験を行なったが、Cre依存的なinhibitory DREADD receptorの発現効率が低く、行動実験を実施するに至らなかった。そのため、現在では、痛覚回路の起始核(視床ニューロン)とS1L4ニューロンへそれぞれinhibitory DREADD receptorを発現させ、痛覚回路の視床ニューロン及びS1L4ニューロンが疼痛関連行動に及ぼす影響を検証中である。これらニューロンのCPSP病態下における機能を、定常状態と比較することで、CPSP発症における回路再編のエビデンスを間接的に証明し得ると考えている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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JCI Insight
巻: 5