研究課題
特別研究員奨励費
私は、麹菌 Aspergillus oryzaeが生産する界面活性蛋白質 RolA の固体表面への吸着自己組織化機構、麹菌cutinase CutL1 との相互作用・基質分解促進機構を研究しています。RolA は固体表面に吸着し、棒状の自己組織化構造を形成するという特徴を有しています。また、RolA は固体表面に吸着後、同じく A.oryzae が産生する cutinase CutL1 を固体表面上にリクルートする性質も有しています。このRolA が固体表面に吸着した際に形成する高次構造の分子機構や、形成されたRolA膜の下層にCutL1が侵入する際の分子機構を解明するのが研究目的です。今年度は、RolA の気液界面膜(ラングミュア膜)を作製し、疎水性または親水性に改質したシリコン基板に転写、原子間力顕微鏡(AFM)観察することで、RolA の自己組織化構造形成過程の解析を行いました。その結果、RolA は2度の相転移の後、自己組織化構造を形成することが明らかになりました。また、RolA ラングミュア膜は自己組織化構造の膜とRolA棒状ミセル構造の膜の2種類の膜が重なる複層膜構造であることが明らかになりました(論文掲載済)。さらに、RolAラングミュア膜を作製する際の緩衝液のpHや塩濃度を変えることで、RolA自己組織化構造形成機構について解析を行いました。その結果、RolAは等電点に近いほど自己組織化構造を形成しやすいこと、イオン的相互作用は自己組織化構造形成機構に重要ではないことが分かりました。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 84 号: 4 ページ: 678-685
10.1080/09168451.2019.1706443