研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、効率的な電荷分離を達成するために、レドックス分離をめざす異種半導体-有機鎖サンドイッチ構造の構築とそれを用いた可視光光触媒反応を目的としている。【具体的内容】まず、半導体-有機鎖構造の構築と適用する反応系の探索を行った。その検討の中で、ナフタレン環構造が半導体の伝導帯への可視光電子注入に効果的であること、ナフタレン環へのシュウ素の導入が効果的であること、および、適切な金属助触媒を使用することで半導体の伝導帯から目的物質への電子注入(水素化)が極めて選択的に行えることを、各種物理化学的検討を通じて明らかにした。さらに、光触媒反応に対する加熱効果(光触媒作用と熱触媒作用の協奏効果)が著しく大きいことを見いだした。熱加速効果は、1) 金属助触媒上における(熱)触媒反応の加速、2) 生成物の脱離促進、のいずれかで説明できることを明らかにした。また、開発した光触媒の拡張性を検討する過程において、有機性廃棄物を電子源とする物質変換反応が可能なことや有機性環境汚染物質の再資源化が可能であることなども明らかにした。これらの成果を各種学会にて報告するとともに、その成果をまとめた論文が学術雑誌に受理された。【意義・重要性】以上の実験により、サンドイッチ構造の半分を構築するだけで光触媒反応が十分に進行することを突き止めた。さらに、太陽光に含まれる光および熱エネルギーを協奏的かつ効率的に利用できることを実証した。また、有機性廃棄物を有効に利用することや有機性環境汚染物質の再資源化することに成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件)
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