研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、モンゴルのライダーネットワーク(5地点)を用いて、ゴビ砂漠におけるダストストームの動態とそのメカニズムを解明することである。研究計画に従って、2019年度は以下のような現地観測やデータ解析を実施した。1)春季集中観測(IOP2019)の実施:ダスト(黄砂)の発生シーズンである春季にモンゴルのゴビ砂漠を訪れ、現地調査やダストストームの直接観測、設置済みの小型ダスト濃度計やシーロメーター(小型ライダー)のデータ回収・メンテナンスを行った。また、昨年の夏に引き続き、シーロメーターの水平観測実験を実施した。実験データの精度は前回よりも改善されたが、さらなる実験装置の改良が必要であることが分かった。シーロメーターの設置してある現地気象台などで、これまでの観測成果について発表し、意見交換を行った。2)2015年4月29~30日に発生したダストストームの事例解析:昨年度に引き続き、ライダーネットワークや地上・高層気象観測データを用いて、本事例のダストストームの動態解析を行った。3)バイオエアロゾルに関するデータ解析:気象データやライダーデータを用いて、細菌・ウイルスが付着した黄砂の発生状況や輸送経路について解析を行った。4)ダスト発生に関する数値シミュレーション:全球エアロゾルモデルを用いて、ダストの発生源分布や放出量、およびそれらの時間変動について解析を行った。地上気象観測データや衛星観測データとの比較から、モデルのダスト発生頻度について改良を行う必要があることが分かった。全体を通して、モンゴルのライダーネットワークやゴビ砂漠での現地観測を用いて、ダストストームの3次元動態解析を行い、関連するテーマを含め、いくつかのメカニズムについて解明することができた。また、数値シミュレーションにもテーマを拡大することができ、今後の研究基盤も確実に築かれている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 6件)
Journal of Geophysical Research
巻: - 号: 10 ページ: 5579-5588
10.1029/2018jd029597
Atmospheric Environment
巻: 214 ページ: 116848-116848
10.1016/j.atmosenv.2019.116848
Atmosphere
巻: 10(69) 号: 2 ページ: 1-16
10.3390/atmos10020069
120006901031
SOLA
巻: 15 号: 0 ページ: 52-56
10.2151/sola.2019-011
130007610296
Journal of Applied Remote Sensing
巻: 12(4) 号: 04 ページ: 042604-042604
10.1117/1.jrs.12.042604