研究課題
特別研究員奨励費
昨年度に引き続き、C12A7:eを用いたアンモニア分解反応についての検討を行ったところ、DFT計算から特異な反応機構を見出すことができた。そこで、理論計算結果の妥当性を検証するため、実験を行った。その結果、 C12A7:eは触媒的にはアンモニアを分解できないが、高濃度の中性窒素分子を含有したC12A7が合成できることが分かった。現在はこれらの成果を纏めた論文を執筆中である。また、以前から研究を行っていたRu担持Ca2NH触媒を用いたアンモニア合成の反応機構について、第一原理計算とミクロキネティックモデルから明らかにすることができた。Ru担持水素化物触媒はアンモニア合成に対し低温低圧下で高活性であるが、微視的な反応経路や律速段階などの反応機構は明らかになっていなかった。実験事実に基づいた考察から、Ru/Ca2NHによるアンモニア合成の反応場をRu/Ca2NH界面だと仮定し、アンモニア合成の全ての素過程を組み立てた。また、各素反応の解析を行ったところ、Ru担持水素化物触媒において、(i)電子注入による窒素開裂の活性化、(ii)担体表面水素を用いたNHx形成、(iii)Ru表面から表面VHへの水素の移動による水素被毒抑制が重要な機構であることを見出した。次に、第一原理計算から得られた各素反応の活性化エネルギーなどを使ったミクロキネティックモデルにより、各素反応が律速段階だと仮定されたときのターンオーバー頻度(TOF)を求めた。第一原理計算とミクロキネティックモデルからTOFの比較から、NH3形成が律速段階であることを見出した。また、得られたNH3形成のTOFは実験値をよく再現することから、本研究で提案した反応機構の妥当性が裏づけられた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
The Journal of Physical Chemistry C
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10.1021/acs.jpcc.9b10850
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