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ジャック・ランシエールにおける「フィクション」概念と自由間接話法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J13380
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 美学・芸術諸学
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 亘  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードジャック・ランシエール / 美学 / ステファヌ・マラルメ / ジャン=フランソワ・リオタール / ピエール・ブルデュー
研究実績の概要

ランシエールの芸術家論の検討を行った。具体的に取り上げたのは1996 年の『マラルメ』、2003
年の『イメージの運命』、11 年の『アイステーシス』におけるマラルメ論である。ランシエールは既存のマラルメ解釈の傾向――虚無への直面という精神的危機の中で絶対的な理想を追求した高踏的・形而上学的詩人としてのマラルメ観――に反対し、むしろ同時代の風俗や社会情勢に鋭く意識的な詩人としてマラルメを捉えた上で、マラルメのテクストに、詩によって超越的イデーを目指すのではなくむしろ現実の日常的なものからイデーを組み上げるという、いわば下からの詩作術を見て取っている。それを踏まえ、ランシエールのマラルメ解釈が、アラン・バディウ、カンタン・メイヤスーを初めとするフランス現代思想に特徴的な形而上学的マラルメ理解に対するアンチテーゼとしても機能していることを明らかにした。さらにこのマラルメ解釈の検討を通じて、これからの研究課題に結びつく以下のような成果を得ている。すなわちランシエールは『イメージの運命』においてはマラルメの詩作をデザイナーの作業と重ね合わせて論じ、『アイステーシス』においてはマラルメがそのバレエ論において芸術家としての主体性を否定したダンサー(ロイ・フラー)を美的体制における範例的芸術家として描き出している。偉大な詩人とされてきたマラルメ/非芸術とされてきたデザイナー・芸術家とみなされていなかったダンサーの優劣を逆転させるこうした挙措はまさに、ランシエールが美的体制における芸術の政治性として論じた諸ヒエラルキーの撹乱に重ね合わせることができる。つまりランシエールは2000 年代以降の自身の芸術思想において、既存の芸術論・芸術史に抗するかたちで、美的体制に特有の政治的実践を行っているのである。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2019 実績報告書
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] From the Sublime to the Beautiful: On Ranciere's Criticism of Lyotard2019

    • 著者名/発表者名
      Wataru Suzuki
    • 雑誌名

      Proceedings of the 21st International Congress of Aesthetics

      巻: 1 ページ: 692-698

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際共著
  • [雑誌論文] 八〇年代ランシエールの美学思想--ブルデュー批判から--2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木亘
    • 雑誌名

      美学芸術学研究

      巻: 37

    • NAID

      40022002587

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ジャック・ランシエールによる『美的教育書簡』の再解釈―「ルドヴィシのユーノー」と美的中断2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木亘
    • 雑誌名

      シェリング年報

      巻: 26 ページ: 92-102

    • NAID

      130007814179

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 芸術論と教育論が出会うとき──ランシエールとその受容者とのあいだで2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木亘
    • 学会等名
      表象文化論学会第14回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] From the sublime to the beautiful: On Ranciere’s criticism of Lyotard2019

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI Wataru
    • 学会等名
      21st International Congress of Aesthetics
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書 2018 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ジャック・ランシエールの思想展開におけるマラルメの地位2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木亘
    • 学会等名
      第70回美学会全国大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2018-05-01   更新日: 2024-03-26  

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