研究課題
特別研究員奨励費
平成30年度は、①かご型シロキサンの形状が結晶構造に与える影響の調査、②コレステロールを修飾したかご型シロキサンの合成・結晶化を行った。①かご型シロキサンの形状が結晶構造に与える影響の調査 細孔構造の制御を目的として、異なる形状のかご型シロキサンにシラノール基を修飾し、その結晶を作製することで、かご型シロキサンの形状が構造に与える影響を調査した。二重四員環(D4R)型シロキサンの他に、二重三員環(D3R)型シロキサンおよび二重六員環(D6R)型シロキサンにシラノール基が修飾された分子を合成した。D4RおよびD3R、D6Rの結晶構造を比較すると、かご型シロキサンに結合したシラノール基は(1)水素結合により6員環を形成しやすい、(2) 大きな面を面共有した集合構造を形成しやすい、という傾向があることを見いだした。D4Rの結晶化・固相重合に関してChem. Eur. J.誌に論文を発表したほか、D3Rの結晶化に関してDalton Trans.誌に論文を発表した。どちらの論文も編集者から高い評価を受け、Inside Cover およびBack Coverに採用された。②コレステロールを修飾したかご型シロキサンの合成・結晶化 キラルな細孔の構築を目的として、キラルな官能基をかご型シロキサンの1頂点に修飾した。キラルな官能基としてコレステロールを選択した。かご型シロキサンの1頂点への修飾は、2頂点以上に修飾されたものや未反応物との分離が必要であるが、コレステロールはサイズが大きいため、分離が行いやすいと考えて選択した。コレステロールと結合したかご型シロキサンをテトラヒドロフランに溶解し、溶媒を緩やかに蒸発させることでその結晶を得た。XRDパターンから結晶は層状構造であることが考えられる。今後は3次元構造の構築を目指して分子構造・結晶化法の最適化を行う予定である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Dalton Transactions
巻: 48 号: 6 ページ: 1969-1975
10.1039/c8dt04244f
Chemistry A European Journal
巻: -- 号: 33 ページ: 7860-7865
10.1002/chem.201900439
巻: 24 号: 64 ページ: 17033-17038
10.1002/chem.201804441