研究実績の概要 |
2019年度は、2018年度のモスクワ市滞在を通じて入手した資料を用いて、研究の進展及び国内外における研究成果の発表に努めた。 1. 第一に公刊物として、サンクトペテルブルク市「コスミズムと有機体論」の学会資料集に論文「N. F. フョードロフの哲学における人格の問題」を発表した。また、2020年度の前半には、東京大学人文社会系研究科発行の『スラヴィスチカ』誌で拙論が発表される予定である。 2. 第二に国内外における学会発表として、N. F. フョードロフ記念国際学術学会(2019.6,モスクワ市及びリャザン地方)、「コスミズムと有機体論」(2019.11月,サンクトペテルブルク市)においてロシア語による発表を行った。国内では、東方キリスト教学会(2019.8,東京大学)における発表を行った。これらの発表内容は、今後、博士論文の一部を成すように改変し、論文として発表する所存である。 3. 最後に、研究者本人の所属する東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻の主催する公開シンポジウム「<身体>からみる地域ー医療・衛生・宗教実践ー」(2019年6月29日、東京大学駒場キャンパス)にてコメンテータを担当し、ロシア宗教思想及び東方キリスト教における身体論の観点から、登壇者に質問を行った。 以上の研究発表活動を通じて、遂行中の研究に対するフィードバックを受け、2019年度の末には、博士論文の核となるアイデアにたどり着いた。感染症流行の影響により、博士論文中間発表の見通しは立ってはいないが、この発表会を早急に開催し、博士論文の執筆につなげたいと考えている。
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