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アコヤガイ貝殻稜柱層炭酸カルシウム内の結晶欠陥形成因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J13824
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生物有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

近都 浩之  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
研究課題ステータス 採択後辞退 (2019年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードアコヤガイ / 石灰化 / バイオミネラリゼーション / 稜柱層 / キチン / キチン分解酵素 / 軟体動物
研究実績の概要

アコヤガイの貝殻は稜柱層と呼ばれる柱状炭酸カルシウム結晶が寄り集まったハチの巣状の微細構造を持つ。この柱状単結晶内には有機基質が局在しており、その有機基質によって微小な結晶欠陥が作られている。有機基質を含まない単結晶は特定の結晶面で割れやすいが、柱状単結晶では欠陥がひび割れを防ぐため割れにくく強度が強い。これまでの研究では結晶内有機基質から多糖のキチンとキチン分解酵素を同定した。またキチン分解酵素を作用させたキチンゲル内で炭酸カルシウムの結晶化を行い、キチン分解酵素によるキチンの分解度合いが大きいほど、キチンがより多くの欠陥を誘導することを示した。
本年度では、キチンゲル内で合成した炭酸カルシウム結晶をクライオSEMを用いて観察を行い、キチン分解酵素により分解されて細くなったキチンが炭酸カルシウムと相互作用していることを示した。またアコヤガイ生体にキチン分解酵素阻害剤を注射しながら飼育した個体の稜柱層をSEMで観察すると、微細構造が乱れた構造が見られ、さらに結晶内部をTEMで観察すると太くなったキチンが見られた。従って正常な稜柱層形成にはキチン分解酵素が重要であることが示唆された。
またタイラギはアコヤガイと同様に稜柱層を持つ二枚貝であるが、タイラギの稜柱層結晶には欠陥が含まれていない。その結晶内には、アコヤガイと異なり低密度で分散している有機基質(キチンであることが判明)が見られる。キチンの様態の違いが結晶欠陥の有無に関わっていると考えられる。タイラギにはキチン分解活性が検出されず、さらにタイラギのキチン合成酵素の発現量がアコヤガイより低かったことから、タイラギはキチン分泌量を抑えることでキチンの様態を調節していることが示唆された。
以上より、同じ稜柱層でも種独自の形成機構が存在することが初めて示され、軟体動物の石灰化機構の更なる解明に繋がる成果を得ることができたと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Structural and functional analyses of calcium ion response factors in the mantle of Pinctada fucata2018

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Matsuura, Ko Yoshimura, Hiroyuki Kintsu, Takashi Atsumi, Yasushi Tsuchihashi, Takeshi Takeuchi, Noriyuki Satoh, Lumi Negishi, Shohei Sakuda, Tomiko Asakura, Yuki Imura and Etsuro Yoshimura Michio Suzuki.
    • 雑誌名

      Journal of Structural Biology

      巻: 204 号: 2 ページ: 240

    • DOI

      10.1016/j.jsb.2018.08.014

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Functional Analyses of MMPs for Aragonite Crystal Formation in the Ligament of Pinctada fucata2018

    • 著者名/発表者名
      Kubota Kazuki、Kintsu Hiroyuki、Matsuura Akihiro、Tsuchihashi Yasushi、Takeuchi Takeshi、Satoh Noriyuki、Suzuki Michio
    • 雑誌名

      Frontiers in Marine Science

      巻: 5 ページ: 373-373

    • DOI

      10.3389/fmars.2018.00373

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 二枚貝の貝殻稜柱層内に存在するキチン繊維の形成機構の比較2019

    • 著者名/発表者名
      近都浩之、奥村大河、根岸瑠美、中西啓二、永田宏次、鈴木道生
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] アグリバイオ2018

    • 著者名/発表者名
      近都浩之、鈴木道生
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      北隆館
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

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公開日: 2018-05-01   更新日: 2024-03-26  

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