研究課題/領域番号 |
18J13891
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
財政・公共経済
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇文 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2019年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 地方財政 / 地方交付税 / 資本化仮説 / 地価 / 政府間財政移転 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度までに行った研究の拡張を行うとともに、作成した論文を学術誌への投稿に向けて改善を行うことを主要な作業とした。本研究の目的は政府間財政移転が自治体の資源配分に与える影響を明らかにすることであり、具体的には政府間財政移転がどの程度住民の便益を高めるために自治体によって利用されているのかを明らかにする研究を行っている。なかでも、国による使途の制限がなされていない地方交付税に注目した研究を進めている。 地方交付税は使途に制限がないため、伝統的な議論では自治体の行動を歪めることがない効率的な財政移転であるとされてきたが、同時に対立する批判として様々な非効率性を生み出す要因が提示されており、交付税が自治体に配分された場合にどの程度住民の便益を引き上げるために利用されるかどうかは実証的に明らかにする問題である。以上の問題意識から、分析では公共サービスや税が住宅・土地価格に帰着するという資本化仮説の枠組みを用いて、自治体に配分された交付税がどの程度地価を上昇させるのかを実証した。 分析の結果、住民一人当たりの交付税額が1単位増加した場合の、一人あたり住宅面積価格の上昇額は、交付税の増加額に近い、もしくはそれ以上であることが確認された。この結果から、使途に制限がない財政移転について提示されてきた非効率性が、住民の受ける便益を低下させている可能性は低いという示唆が得られる。さらに、効果が1よりも大きいということは、財政移転が増加した自治体では乗数効果が働いていた可能性がある。また、郊外の住宅地まで分析対象に加えると、効果が小さくなっていることが確認されている。理由としては、住宅地に関する供給の価格弾力性の違いや公共サービスの水準の差などが考えられ、この経路を明らかにすることが残された研究課題となっている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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