研究課題/領域番号 |
18J13942
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
駒澤 真由美 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 精神障害 / 障害者就労 / 社会的事業所 / ライフストーリー / リカバリー / 精神保健医療福祉 / 共に働く場 / 対等な立場 / 一般就労 / 福祉的就労 / 当事者 / 障害開示 / スティグマ |
研究実績の概要 |
今年度は、一般就労でも福祉的就労でもない社会的就労の場でフィールドワークを行い、就労現場の参与観察と全従業者18名への聞き取りならびにそのなかの精神障害当事者4名へのライフストーリー・インタビューを実施し、次の2本の論文にまとめた。 1本目では、長い非就労期間と福祉的就労を経て、現在は社会的就労の一つであるZ社会的事業所で働く一人の男性のライフストーリーから、精神保健医療福祉システムのもとで「精神障害者として生きる」ことになった契機と「精神障害者として働いて生きる」ことを選択していくプロセスを分析した。その結果、当事者自身が精神保健医療福祉システムの構造的な枠組みに囲い込まれながらも自らそれを受け入れること、またそこからはみ出すことにも本人なりの「合理性」を見い出していること、リカバリー論が暗黙のうちに前提としてしまっているものを支援者側の規範として無理に押し通そうとするとかえって当事者が生きづらくなる場合もあることを指摘した。 2本目では、支援者と当事者の「支援する・される」という立場を廃したZ社会的事業所がどのように維持され、そこで精神障害当事者がいかに働き続けているのかを「金銭的報酬」と「心理的報酬」の2つの観点から分析した。その結果、新たな就労の形として「支援される立場」ではなく、障害種別や程度にかかわらず「共に働いて生きる場」があることを実証し、これまでの就労支援のあり方に異議を唱えた。Z社会的事業所では地方行政から公的給付が障害者の賃金に補填されており、給料が一般就労より低いが福祉的就労よりは高い。能力や労働量に応じて給与が支払われるわけではないことに不満がある当事者もいるが、一定の収入が得られることもあり、従業者は職場における理念に従い「誰もが対等に働く場」が成立している。このZ社会的事業所が、当事者にとって金銭的・心理的にバランスを保った働き場であることを示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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