研究課題/領域番号 |
18J14088
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
豊田 泰淳 慶應義塾大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | プロティノス / グノーシス / 数 / ティマイオス / 新プラトン主義 / 中期プラトン主義 |
研究実績の概要 |
プロティノス哲学の独自性研究というテーマに即し、今年度はプロティノスの記述から、プラトン主義を経由した伝統的ギリシア哲学の継承と見なし得る点と、同時代のプラトン主義をはじめとする諸学派と比較した際に明らかな相違点と見なし得る点の双方を指摘することを目指した。 前者を論じるにあたって着目した点は、『エネアデス』の中に現れる「数に関する議論」である。数の存在論を重要視する傾向は、他諸学派と比較してプラトン主義に特徴的と言い得るものであり、プロティノスもまた第34論攷「数について」における詳細な数の議論を残しているため、当該論攷の精読及び著述全体に通底する執筆意図の検討を行うことにより、プロティノスの志向したプラトン主義の内実を数の議論に定位した上で明らかにすることを目指した。その中で、数の議論は「一から多への展開を無限への発散と見なす人々」に対して展開されたものであり、プロティノスの体系においては、数の存在論位置付けが適切に定められた際に初めて「一から多への展開は限定を受けている」と主張することが可能となるという見通しが得られた。 後者に関しては、「世界の永遠性」という論点を中心に、プロティノスがプラトン主義の歴史の中で占める独自の立ち位置について検討を行った。プラトン主義の世界像を支えるプラトンの『ティマイオス』を解釈するにあたって、後代のプラトン主義者達はとりわけ世界創造論の理解を巡って相異なる見解を提示した。大きく対立する論点のひとつは、世界の誕生が時間的始点を有するか否かという問題である。本研究はプロティノスが後者の選択肢をとり、その中で「世界の終末」を唱える論者を相手取った理論を展開している可能性を提示した。 上の「無限論者」及び「終末論者」として想定される論敵は、双方に共通して、プロティノスが理解した限りのグノーシス主義者であった可能性も同時に指摘される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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