研究実績の概要 |
定常かつ軸対称な漸近的非平坦時空の一例として欠損角が現れるRotating global monopole時空における、光源と観測者がレンズ天体から有限距離にあることを考慮した光の曲がり角を導出した(Toshiaki Ono, Asahi Ishihara and Hideki Asada, Physical Review D 99, 124030)。また、これまでの静的球対称時空と定常軸対称時空における、光源と観測者がレンズ天体から有限距離にあることを考慮した光の曲がり角の研究をまとめたレビュー論文が「Universe」に掲載された(Toshiaki Ono and Hideki Asada, Universe volume 5 issue 11 page 218)。 さらに、これまでの我々の微分幾何学のGauss-Bonnetの定理を用いた光の曲がり角の導出を、静的球対称かつ漸近的非平坦な任意の時空に適用できるように拡張することができた。例として宇宙定数入りのKottler時空と Weyl重力における球対称時空に対して我々の手法を使って、光源と観測者がレンズ天体から有限距離にあることを考慮した光の曲がり角を計算し、観測可能性について考察した。この結果は現在 Physical Review Dに投稿中(Keita Takizawa, Toshiaki Ono and Hideki Asada, Arxiv:2001.03290)。 以上の研究結果を山形大学で開催された日本物理学会2019年秋季大会にて口頭発表を行い、神戸大学で行われたJGRG29にてポスター発表を行った。また宇宙物理・重力は観測についての情報収集を行った。
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