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哺乳類冬眠動物が有する低体温耐性のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18J15084
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
研究機関東京大学

研究代表者

姉川 大輔  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2019年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2018年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード冬眠 / 低体温 / ビタミンE / 細胞死 / 肝臓 / 温度生物学
研究実績の概要

哺乳類冬眠動物が有する低体温耐性の機構を明らかにするために、冬眠動物シリアンハムスター(以下、ハムスター)をモデルとした。初代培養肝細胞の低温ストレス耐性を評価する過程で、ハムスターに与える餌によって、細胞の低温耐性が劇的に変化することを見出した。餌Aを与えたハムスター(ハムスターA)の肝細胞は1週間弱の低温培養を行ってもほとんど細胞死を示さなかったのに対し、餌Bを与えたハムスター(ハムスターB)では、2日以内の低温培養でほとんどの細胞が死滅した。さらに、ハムスターBではミトコンドリアでのROS産生および過酸化脂質の蓄積が認められたのに対し、ハムスターAではほとんど認められなかった。一方で、マウス肝細胞では、餌Aを与えた場合も、低温細胞死と低温による脂質酸化のいずれも抑制されなかった。次に餌Aの成分のうち、ハムスター肝細胞の低温耐性に寄与するものの同定を目指した。餌Aには、脂溶性の抗酸化物質であるビタミンEが餌Bの約5倍多く含まれている。そこで、餌Bを与えているハムスターに、ビタミンE同族体の1つであるα-Tocopherol (αT)を2週間経口投与したところ、肝細胞の低温耐性が増強した。この結果は、ハムスター肝細胞の低温耐性には、食餌から十分量のαTを摂取することが必要であることを示す。食餌由来のαTがどのように肝細胞の低温耐性に寄与するか調べるために、肝細胞中のαT量を測定したところ、αTを投与したハムスターBでは、溶媒対照群と比較して、αT量が有意に増加した。興味深いことに、餌Aを与えているハムスターは、同じ餌を与えたマウスより約10倍多いαT量を保持していた。この結果は、ハムスターは、マウスより食餌由来のαTを肝細胞に多く蓄えることが可能であり、このことが種間の低温耐性の差に寄与する可能性を示唆する。以上の結果を国際誌で発表するため、論文投稿準備中である。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2019 実績報告書
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 冬眠する哺乳類が示す虚血再灌流傷害耐性2019

    • 著者名/発表者名
      姉川大輔、三浦正幸、山口良文
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 第71巻第2号 ページ: 170-176

    • NAID

      40021798120

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 冬眠する哺乳類シリアンハムスターの細胞自律的な低温耐性2019

    • 著者名/発表者名
      姉川大輔、茶山由一、安藤理沙、泰井宙輝、重信秀治、佐藤佑哉、三浦正幸、山口良文
    • 学会等名
      第4回北大部局横断シンポジウム
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] Cell autonomous cold resistance of a mammalian hibernator, Syrian hamster2019

    • 著者名/発表者名
      Daisueke Anegawa, Yuichi Chayama, Lisa Ando, Hiroki Taii, Shuji Shigenobu, Masayuki Miura, Yoshifumi Yamaguchi
    • 学会等名
      9th FAOPS congress
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Cell autonomous resistance to cold-induced cell death in a mammalian hibernator2018

    • 著者名/発表者名
      Daisueke Anegawa, Yuichi Chayama, Lisa Ando, Hiroki Taii, Shuji Shigenobu, Masayuki Miura, Yoshifumi Yamaguchi
    • 学会等名
      Australia-Japan Meeting on Cell Death
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 冬眠する哺乳類シリアンハムスターの細胞自律的な低温耐性2018

    • 著者名/発表者名
      姉川大輔、茶山由一、安藤理沙、泰井宙輝、重信秀治、佐藤佑哉、三浦正幸、山口良文
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

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公開日: 2018-05-01   更新日: 2024-03-26  

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