研究課題/領域番号 |
18J20543
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
伊達 悠貴 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Runx3 / p53 / Myc / 骨肉腫 / c-Myc |
研究実績の概要 |
骨肉腫の発症機序は、代表的ながん抑制遺伝子p53の遺伝子異常以外は不明である。p53を骨芽細胞で欠損させた「OSマウス(Osx-Cre;p53F/F)」は、ヒトのそれに酷似した骨肉腫を必発し、典型的な骨肉腫モデルとして頻用される。p53の破綻にはじまる、骨肉腫発症の分子機構の解明が急務である。 ヒトおよびOSマウスの骨肉腫検体のゲノム・トランスクリプトームを複合的に解析すると、p53の不活性化に伴って、転写因子Runx3の発現が顕著に上昇した。つづく包括的なゲノム・エピゲノム実験によって、Runx3は、がん遺伝子Mycを過剰に誘導することがわかり、さらに、その過剰誘導に必須なRunx結合配列「mR1」を、Mycプロモーター上で特定した。OSマウスからRunx3、Myc、mR1のいずれを欠損させても、骨肉腫発症は抑制され、顕著な延命につながった。また、Runx阻害剤をOSマウスに投与すると同様の抗骨肉腫効果を発揮した。ヒト骨肉腫検体においても、RUNX3とMYCの発現量はよく相関し、それぞれの高発現群は予後不良であった。一連の結果から、骨肉腫発症の分子基盤が、「p53の不活性化に伴う、Runx3によるmR1を介したMycの過剰誘導」であることが判明した。 このRunx-Mycの発がん機軸は、他のp53破綻性の腫瘍においても通底する可能性がある。そこで、p53欠損マウスが最も頻発する胸腺リンパ種のモデルとして、胸腺特異的にp53を欠損する「LPマウス(Lck- Cre;p53F/F)」を導入した。LPマウスからRunx1、Myc、mR1のいずれを削除しても、胸腺リンパ腫発症は抑制されて有意な延命につながった。Runx阻害剤もLPマウスにおいて抗腫瘍効果を見せつつある。 Runx-Myc機軸は、p53破綻性の多くのヒトがんにおける発症・悪性化過程の理解に寄与しうる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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