研究課題/領域番号 |
18J21693
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻 大地 九州大学, 人文科学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 中世イスラーム社会 / ジェンダー / セクシュアリティ / 同性愛 / 逸話 / 言説 / 中傷行為 / 医学知識 / 前近代イスラーム社会 / 成人男性 / 奴隷 / 去勢者 / 初期イスラーム / 社会史 / アッバース朝 / 男らしさ / アラブ文学 |
研究実績の概要 |
報告者は昨年度までに、前近代アラブ・イスラーム社会の性愛観念においては、男性/女性という身体的性に基づく区分よりも、成人男性/非・成人男性という社会通念に基づく区分が重要であったことを明らかにしてきた。本年度執筆した、ジェンダー研究に関する書籍の項目(「同性愛/異性愛」『論点・ジェンダー史学』2021年刊行予定、「中世ムスリム社会の男性同性愛と政治」『ひとから問う世界史―ジェンダー視点から』2022年刊行予定)は、主にこれらの成果に基づくものである。 一方で、昨年度から今年度にかけての本研究の成果として、中世イスラーム社会において「同性愛」概念に類似した意識が芽生えていた可能性を見出した。すなわち特定の人物がある時点において、中傷行為における言説上の展開や医学知識の伝播によって、実際の行為の有無に限らず「同性と性愛関係を結ぶ者」として捉えられるようになるという可能性である。これは上記の区分と必ずしも矛盾するわけではないが、先行研究が無批判的に前提としてきたテーゼに修正を迫るものである。この内容は、比較ジェンダー史研究会とイスラーム・ジェンダー学科研研究会の合同研究会(「同性愛の比較文化史」)で比較史的観点から問題提起する報告を行なったほか、関連する内容を含む論文を学術誌に投稿し現在査読審査中である。加えて現在までの研究成果に対して第11回日本学術振興会育志賞を受賞した。 3年間の本研究課題によって、当初の計画に則った成果に加え、上記の通り「同性愛」概念の形成過程に関する新たな気づきを得られた。そこで来年度以降は、育志賞の副賞によって採用予定の特別研究員(DC2)として本研究を発展させ、博士論文に結実させたい。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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