研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的はΛ(1405)粒子の内部構造を解明し、ひいては反K中間子と核子の束縛エネルギーを不定性なく決定することである。SPring-8/LEPS2ビームラインにおいて、高輝度高偏極度を有するγ線ビームを用いた光生成反応の測定からこれの実現を目指す。2020年度は本研究の要となるLEPS2ソレノイドスペクトロメータとデータの解析コードの開発を進めた。昨年度に建設した粒子識別に必要な飛行時間検出システムの回路周りの開発した。アナログ信号をロジック信号に変換するディスクリミネータを早い読み出しかつ比較的安価な価格での開発を実現し、それを大量生産を導入した。また、アナログ信号のピーク値を得るためのDRS4QDCボードの開発を完了させた。また、粒子飛跡検出器 (TPC) と併用したビームテストを行た。ただ、テストの途中 TPC 内部で放電が起こり、十分な統計量のデータを得られなかったため、目標であった粒子識別の性能評価は完遂できなかった。しかし取得したデータを解析し、二つの検出器の粒子の軌道位置に関して相関があることを確かめた。これによりデータ収集システムの妥当性を確認したことをは大きな進展であると思われる。現在TPCは修繕は済んでおり、来年度の4月に回路系やハード面で改善した状態でのテストを計画している。また、他の検出器にも進展がある。エアロジェルチェレンコフ検出器を設置した。信号線の配線もほぼ完了した。また、一部の検出器を稼働させ、飛跡検出器と共にデータ取得を行なった。 そこで二つの検出器の相関を確かめた。さらに γ 検出器においては、光電子増倍管のゲインが低い理由がソレノイド磁石の漏れ磁場であったことを突き止めた。磁場の影響を抑えるためミューメタルで包み、十分な電荷量を得られるようになった。同時に問題のある光電子増倍管の交換、回路系のデバッグなどを行い、整備を進めた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 925 ページ: 188-192
10.1016/j.nima.2019.02.014