研究課題/領域番号 |
18J22705
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医学物理学・放射線技術学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
黒澤 知征 東京女子医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 画像誘導放射線治療 / セットアップエラー / ディープラーニング / 放射線治療 / 線量計算 / CBCT / IGRT |
研究実績の概要 |
GPUで高速を図る前の段階でプログラムを見直し、CPUで臨床で使用できるレベルまで高速化を図る必要がある。その際、線量分布と計算速度と計算精度は反比例する可能性があるため、まず先んじてその影響を評価を進めている。 また同時に実際の患者のセットアップエラー情報から確率密度分布を作成するにあたり、高速CBCT撮影に焦点を当てている。 この高速CBCT画像は再構成に使用する投影データが減少するために、アーチファクトやノイズが生じ、画質が劣化するため正確なセットアップエラーの情報を得られない可能性がある。したがってdeep learningを使用した画質改善の実現可能性を調査した。15名の前立腺癌患者のCBCT画像を収集し、通常のスキャン速度、2倍および4倍のスキャン速度で取得されたCBCT画像をそれぞれCBCT100%、CBCT50%およびCBCT25%と定義した。CBCT50%の画質は、先行研究でIGRT精度に影響を与えないことが報告されているため、画質基準として使用した。 deep convolutinal neural network(DCNN)モデルには、アーチファクトの除去やセグメンテーションに用いられるU-netを使用した。CBCT25%を入力画像、対応するCBCT100%を教師画像としてトレーニングした。 DCNNによって生成されたCBCT画像(CBCT25%+ DCNN)の大腿骨頭および前立腺内のCT値をCBCT50%と比較した結果、有意な差が見られず同等であったことから、CBCT25%+ DCNNはIGRTに使用できるCT値の精度を有していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以前として計算時間が問題となっている。GPUで高速を図る前の段階でプログラムを見直し、CPUで臨床で使用できるレベルまで高速化を図る必要がある。その際、線量分布と計算速度と計算精度は反比例する可能性があるため、まず先んじてその影響を評価する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
線量計算に要する計算時間が現在課題となっている。線量計算に使用しているアルゴリズムはコラプスコーンコンボリューションと呼ばれるアルゴリズムである。光子が相互作用を起こした点を頂点とする複数の円錐に分割し、各円錐が張る立体角方向へ放出されたエネルギーがその円錐の軸上の体積要素で吸収されるものとして近似する計算法である。 この円錐の数を増やすと高精度な線量分布を計算することがきるが、 より計算時間を要する。円錐の数(計算精度)と計算時間はトレードオフの関係にある。したがって正方形などの単純な線量分布と実際の前立腺および頭頸部の治療に使用した線量分布情報を収集し、計算に使用する円錐の数が線量分布に与える影響を調査する。線量分布の評価には一般 的に用いられている、dose difference、distance to agreement、gamma index を使用する。
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