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ポスト現象学と言語行為論に基づいたコミュニケーションロボットの倫理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J23409
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 哲学・倫理学
研究機関東京大学

研究代表者

水上 拓哉  東京大学, 学際情報学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2018年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードロボット倫理学 / 技術哲学 / コミュニケーションロボット / 道徳的行為者 / 媒介理論 / 対話システム / ポスト現象学 / 言語行為論
研究実績の概要

本年度では、コミュニケーションロボットの道徳的行為者性をフィクション論の立場から考察することを試みた。

まず私は、Waltonのフィクション論を関係論的転回に取り入れてコミュニケーションロボットの道徳的行為者性を説明するアプローチを検討した。私はここで、関係論的に見いだされた道徳的行為者性を(道徳的責任の帰属の実践と結びついた)客観的な事実として説明するのではなく虚構的真理として捉え直し、コミュニケーションロボットをそのような真理を生み出す小道具(props)として説明することを試みた。特にWaltonの立場を援用することで、虚構的対象を説明構図に入れずに説明することが可能になる。これにより、コミュニケーションロボットの道徳的行為者性そのものは排除せずに、それを協同で作り出すアクターの行為を中心に説明し直すことができる。

次に、コミュニケーションロボットの道徳的身分を小道具として捉える「小道具説」に基づき、設計者の道徳的責任の範囲と内実について再検討した。具体的にはコミュニケーションロボットの設計行為が他の技術の設計と比べてどのような特殊性があるのかを指摘し、現在先行研究で議論されている特定のアピアランスをロボットに付与する問題について、設計者の取れる方策について提案した。最後には、その方策の一環として、これまで行われてきたコミュニケーションロボットの倫理的な評価を加える際、従来の工学的な評価スタイルではなく、小道具的なものの評価実践のスタイルを取り入れることを提案した。本研究の最終的な成果となる博士論文は現在執筆の最終段階にあり、一次予備審査は通過している。来年度の早いうちに学位取得する予定である。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 技術的人工物による「発話」の道徳的身分について――言語行為論の枠組みを用いた検討2020

    • 著者名/発表者名
      水上 拓哉
    • 雑誌名

      哲学の門

      巻: 2 ページ: 162-175

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ソーシャルロボットの倫理における仮想的行為者性概念の可能性と限界2020

    • 著者名/発表者名
      水上 拓哉
    • 雑誌名

      新進研究者Research Notes

      巻: 3 ページ: 27-35

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対話システムの倫理におけるカプトロジの意義2019

    • 著者名/発表者名
      水上拓哉
    • 雑誌名

      哲学の探求

      巻: 46 ページ: 138-150

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書 2018 実績報告書
  • [雑誌論文] 人と社会と人工知能技術の関係における倫理―対話システムとループ効果から考える2019

    • 著者名/発表者名
      水上拓哉、前田春香、佐倉統
    • 雑誌名

      ヒューマンインターフェース学会誌

      巻: 21.2 ページ: 5-9

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] AIの倫理的・社会的問題の類型化を試みる 事例研究を通じた問題構造の比較分析2020

    • 著者名/発表者名
      石川 開, 水上 拓哉, 戸田 聡一郎, 猪口 智広, 前田 春香, 福住 伸一, 佐倉 統
    • 学会等名
      人工知能学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] ソーシャルロボットの倫理のための概念工学――道徳的行為者性の虚構性をめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      水上 拓哉
    • 学会等名
      人工知能学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 技術倫理にポストヒューマニズム的視点を取り入れるための方法論的検討――媒介理論と責任概念の相克をめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      水上 拓哉
    • 学会等名
      日本社会学理論学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] コミュニケーションロボットの倫理における道徳的行為者性概念の拡張の妥当性について2019

    • 著者名/発表者名
      水上拓哉
    • 学会等名
      科学技術社会論学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Extraction of new guideline it ems from the view point of ELSI (Ethics, Legal, Social Issues) for service utilized AI focus on healthcare area2019

    • 著者名/発表者名
      S hin ichi Fukuzumi, Mariko J inn o, Kasumi In agaki, Haruka Maeda, Ta kuya Mizukami, Osamu Sakura,
    • 学会等名
      HCI International
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] AIを活用したサービスにおけるELSI的観点の新たなガイドライン項目の抽出 デジタルヘルスを対象とした検討2018

    • 著者名/発表者名
      福住伸一、神野真理子、稲垣香澄、安浩子、広明敏彦、前田春香、水上拓哉、佐倉統
    • 学会等名
      人工知能学会全国大会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 対話システムの倫理におけるカプトロジの意義2018

    • 著者名/発表者名
      水上拓哉
    • 学会等名
      哲学若手研究者フォーラム
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 対話システムの倫理におけるフレーミングの問題――行為者中心主義からの脱却を目指して2018

    • 著者名/発表者名
      水上拓哉
    • 学会等名
      科学技術社会論学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

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公開日: 2018-05-01   更新日: 2024-03-26  

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