研究課題
特別研究員奨励費
当研究では,血液ポンプ開発における抗血栓性評価にむけて,材料表面粗さ・主流のせん断速度など独立したパラメータのみでなく,材料表面マイクロ幾何学形状近傍に発生するマイクロ二次流れのパラメータを加えた複合的要因による血球付着現象への影響を明らかにする.さらに,血栓形成度と血液性状・表面材料物性・せん断流れ・材料表面近傍のマイクロ二次流れの関係を定式化,血液ポンプ開発のための新たな流体工学的抗血栓評価法(抗血栓性評価用CFD解析)を確立することを目的とする.初年度および次年度まではマイクロ幾何学構造を有する試料片への血液成分付着現象の定量化のために,コントロール必要な血液性状,表面材料物性,せん断流れの3つのうち,個体差がありエンジニア的コントロールが難しい血液性状に関して,血栓形成の要となる全血血小板凝集能を表す独自の指標ML-PATI値コントロールする手法について集中的に検討を行った.また,In vitroによる血液成分付着現象・血栓形成の定量化のための試料片設置チャンバを用いて確認実験を行いML-PATIが高い方がマイクロ円柱に対する血小板付着は多く,せん断応力による血液性状コントロールが行われていることを確認した.本年度は,実際に全血血小板凝集能を表すML-PATI値変化させた血液を用いてIn vitroによる表面粗さを模した様々な大きさのマイクロ円柱に対する血小板付着実験を行った.マイクロ円柱周囲に対する血小板付着率はML-PATIが低い場合,マイクロ円柱のサイズに関わらず変化がなかった.一方,ML-PATIが高い場合,マイクロ円柱サイズの違いにより発生するマイクロ二次流れの大小に対応して血小板付着率が変化することが確認された.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
International Journal of Artificial Organs
巻: -