研究課題/領域番号 |
18K00002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐山 圭司 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80360965)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ロールズ / ヘーゲル / 政治哲学 / 和解 |
研究成果の概要 |
1985年の論文「公正としての正義ーー形而上学的ではなく、政治的な」は、ロールズの思想発展にとって大きな転換点と見なされてきた。この「転回」は、ロールズ支持者に少なからぬ反発と失望を引き起こしたが、リチャード・ローティは、これを積極的に評価し、従来のロールズ解釈において過小評価されてきた「ヘーゲル的な要素」に注意を促した。 本研究は、ローティのこうした指摘を受けて、ロールズにおける「ヘーゲル的な要素」を発掘し、後期ロールズの構想をヘーゲルの政治哲学との関連で再構成した。具体的には、ロールズがヘーゲルから学んだ「和解」の思想に着目して、後期ロールズの正義論を「和解の政治哲学」として再解釈した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来のロールズ研究においてほとんど考慮されてこなかった「ヘーゲル的な要素」に着目し、しばしば否定的に捉えられてきた後期ロールズを、これまでとは違ったパースペクティヴから描き出すことができた。具体的にいえば、ロールズがヘーゲルから学んだものが、「和解」の思想であることを明らかにすることで、本研究は、後期ロールズの正義論を「和解の政治哲学」として再構成することができた。さらにロールズとヘーゲルとの関係に新たな光が当てられることで、カントの道徳哲学やミルの自由論とは対照的に、現代の政治哲学においてほとんど忘れ去られているヘーゲルの法哲学を再評価することもできた。
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