研究課題/領域番号 |
18K00009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 (2019-2022) 一橋大学 (2018) |
研究代表者 |
大河内 泰樹 京都大学, 文学研究科, 教授 (80513374)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヘーゲル / 生命 / 有機体 / 科学史 / 規範 / 正常性 / 生物学 / 病気 / 概念 / 国家 / 性差 / 類 / 種 / 自然哲学 / ビシャ / フォン・ハラー / 死 / 観念論 / 自然主義 |
研究成果の概要 |
本研究は、科学認識論と分析哲学における生命論という二つを踏まえながら、生命は概念の実在であると理解するヘーゲルの生命論の現代的意義を明らかにすることを目指していた。その結果第一に、ヘーゲルの「概念」を生物における規範と理解することによって、従来の規範論的ヘーゲル解釈には欠けていた「正常性」概念を導入することが出来た。第二に、18世紀から19世紀初頭のの生物学史・生理学史を踏まえることによって、ヘーゲルが展開している有機体論の科学史的位置づけを明らかにすることができた。この位置づけから、ヘーゲルが自然科学を積極的に受容しながら、その根本的な批判を試みていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、まず第一に、現代の規範理論に対する一つの貢献をなすことができたという点がある。ヘーゲル哲学を規範理論に応用しようとする理論はすでにBrandomらによって提起されていたが、生物の内に実在する概念というヘーゲルの一見観念論的な主張を再評価することで、生命そのものの理解に新たな観点を付け加えることが出来た。第二に、ヘーゲルの科学批判を浮き彫りにすることができた。特にこの点には、社会的重要性があり、極端な科学主義と狂信的な反科学主義との対立が見られる現代において、科学について哲学的な視点からその意義と限界を明らかにする視点をヘーゲル哲学が持っていることを示すことが出来た。
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