研究課題/領域番号 |
18K00022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
坂下 浩司 南山大学, 人文学部, 教授 (20332710)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 形而上学 / 哲学の歴史 / 歴史哲学 / 哲学の勧め / 存在論 / アリストテレス / レートリケーとしての歴史 / 第一哲学 / 歴史の哲学 |
研究成果の概要 |
本研究は、Primavesiの巧みな本文編纂方針による『形而上学』第1巻のギリシア語本文とその全章に付された詳細な注解を消化した現時点で最新の日本語訳と注解を作成したものとなった。注解においては、難読箇所に新たな光が当てられ、特にアリストテレスの「歴史感覚」を疑う論者に対して彼を弁護できる箇所が多数あることが明確になった。通常分離して理解される冒頭の「哲学の勧め」部と、続く「哲学の歴史」部との関係については、ギンズブルグの研究「アリストテレスと歴史、もう一度」に示唆を得て、「知恵ある者となるために万物の第一原因の探求(第一哲学)を勧める」ことと、それを勧告する弁論の関係として捉え直した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の日本では(世界的にも)アリストテレスは「体系的」で「歴史性」に乏しい哲学者の典型とみなされている。「哲学史」の原型となった『形而上学』第一巻においても彼は自説の正しさの裏付けのため他の哲学者の学説を自説に引きつけすぎ「歴史感覚」が欠如しているとさえ言われてきた。これに対して本研究は、「歴史哲学」における「レトリック」の問題という大きな視野から、それを「修辞学」より古い「弁論術」の伝統に結びつける研究に示唆を得て、アリストテレスにおける「歴史記述」の発生事情を考察した。本研究は、アリストテレスにおける「体系性」と「歴史性」についての社会通念を新たな角度から見直すという学術的意義をもつ。
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