研究課題/領域番号 |
18K00039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨田 恭彦 京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (30155569)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 西洋近代哲学 / 観念説 / 自然主義 / デカルト / ロック / バークリ / ヒューム / カント / 観念 / 観念論 / 物そのもの / メタ自然学 / フッサール / ニーチェ / 形而上学 / 自然科学 / 『世界論』 / 『省察』 / 原子論 / 表象 |
研究成果の概要 |
本研究により、西洋近代の代表的哲学者たちがその思想の基盤とした「西洋近代観念説」の基本的な枠組みが、古代ギリシャの原子論の近代における復活と連動するなど、多重的な仕方で自然科学的基盤を持つものとして形成されたこと、そしてその意味でそれが「自然主義」的であったことが確認されるとともに、それがどのような仕方で当初の論理を歪め、変質していったかが明らかとなった。 とりわけ重要な成果となったのは、『純粋理性批判』におけるカントの枠組みがどのような仕方で論理的に歪んでいたかを明らかにしたことである。その成果の一部は、国際誌において現在オープンアクセスの形で公開されており、今後の反応が大いに期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西洋近代哲学のもともとの枠組み(「観念説」と呼ばれる)は、自然科学の考え方と表裏をなすものであった。ところが、次第に科学と「第一哲学」としての哲学とが乖離し、科学的思考の基盤を失った不健全な哲学が横行することになった。本研究は、もともとの観念説(ないし表象説)の枠組みがどのような意味で科学的思考を基盤としていたかを明らかにするとともに、バークリやヒュームやカントにおいてその論理がどのようにして歪められていったかを明確にしようとするものである。これによって、学的な営みの健全性の回復に資するとともに、カントのように自らが認める原理や概念を固定化しようとする反動的な試みに警鐘を鳴らすものである。
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