研究課題/領域番号 |
18K00048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
村田 憲郎 東海大学, 文学部, 教授 (80514976)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 現象学 / 時間意識 / 時間 / 意識 / フッサール / ブレンターノ / 時間的経験の哲学 / 知覚 / 時間経験の哲学 |
研究成果の概要 |
フッサールの時間意識の現象学は近年、一方で文献学的調査も進んだが、他方では心の哲学や認知科学の方面からも再評価されつつある。こうした動向を踏まえ、彼の時間論を、まず第一に初期フッサールの哲学形成の背景をなしているブレンターノ学派との関係においてとらえ直し、また第二に近年の時間的経験の哲学と関連づける研究を行った。成果として、時間知覚や自己意識の問題について、フッサールの理論が独自の論点を形成していることがわかった。本研究の成果は、第一義的には彼の時間論の発展史的理解を一新するものであるが、それにとどまらず、近年の脳科学や認知科学をも交えた人文科学の総合的研究にも寄与しうるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フッサールの時間意識の議論は、日本を含めた大戦後の知的風景において、新たな主体のあり方の探求のための土台を提供してきた。そこではポストハイデガーの現象学に見られたように、合理性の彼岸を指し示すような現象学の限界として位置づけられた。しかしそもそもフッサールの時間論は、理性と学の基礎づけをめざす彼の哲学全体とともに発展したものであり、一方で伝統的に哲学が解明してきた習慣性や徳をそなえた主体ともよく折り合うが、他方で近年の人工知能や脳科学の新たな知見とも対話を可能にし、伝統的人文知と新たな科学的知見とが融合した総合的な人間科学の可能性を開くものであり、本研究はそうした性格の一端を示した。
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