研究課題/領域番号 |
18K00050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
守中 高明 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80339655)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脱構築 / 赦し / 贈与(ほどこし) / 生成変化 / 内在/超越 / 自然 / 反-差別 / 共同体 / 決定不可能命題 / 能産的自然 / 内在性 / 心身並行論 / ジャック・デリダ / 浄土 / 信 / ジル・ドゥルーズ / スピノザ / ニーチェ / 他力 / 贈与=施し / 自律的ネットワーク / ほどこし / 有限性 / 往生 / 差延 / 宗教哲学 / 贈与 |
研究成果の概要 |
現代フランスの哲学者ジャック・デリダが錬成した宗教的思考をめぐる独自の諸概念を日本の鎌倉仏教の解釈に導入することにより、報告者は法然・親鸞・一遍らの中世浄土教を現代において実効性をもつ思考へと刷新することに成功した。著書『他力の哲学――赦し・ほどこし・往生』(河出書房新社、2019年2月、全249ページ)および『浄土の哲学――念仏・衆生・大慈悲心』(同前、2021年8月、全270ページ)がその成果である。 この2冊の刊行後、複数の仏教学会における講演や発表、仏教系およびキリスト教系の雑誌・新聞における寄稿や著者インタヴュー等の依頼があり、それぞれ少なからぬ反響を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、神話的言説として理解されがちな中世浄土教の教義を現代ヨーロッパ哲学に接続することで、その解釈史に根本的変更をもたらした。たとえば法然の説く「往生」が想像上の物語ではなくデリダ的「差延」と一致するリアルな時間の経験であること、「阿弥陀仏」が超越的〈一者〉ではなくスピノザ的「自然」の力能であり「信」とはその生成の必然を生きることに存すること、一遍における「踊り念仏」が独自の心身並行論により被差別の民を抑圧的道徳観念から解放するドゥルーズ&ガタリ的な集団的アレンジメントの実践であること――これら諸点を異論の余地なく論証・解明した本研究は、宗教哲学に真の革新的視座を打ち立てたと言える。
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