研究課題/領域番号 |
18K00051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
竹内 綱史 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (40547014)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ニーチェ / ニヒリズム / 人生の意味 / 自然主義 / 構成主義 / ショーペンハウアー / 反出生主義 / ペシミズム / レジンスター |
研究成果の概要 |
本研究は、ニーチェ哲学における自然主義と構成主義の両立可能性という問題を考察することによって、ニヒリズムという現代の宗教哲学的課題、すなわち人生の意味への問いに対し、暴力的な他者排除に陥ることなく答えるための視座を獲得することを目的としていた。 研究の結果、ニーチェの採用する自然主義がは現代哲学で主流の物理主義ではなく生物主義であり、しかもそれも一つの世界解釈でしかないことを認めたうえでの立場であることが明らかになった。そしてその世界解釈を実際に生きて見せる「率先垂範の倫理」(規範の源泉を個々人の「生きざま」に置く倫理)によって、暴力的な普遍妥当性を要求しないことがニーチェの立場であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニーチェ哲学を駆動しているのは次のようなアンチノミーである。一方で、この世界におけるあらゆる価値が人間的に構成されたものであるならば、人生を懸けて追い求めるべきものは存在せず、この世界での生に意味が見出せなくなる。しかし他方、この世界に客観的価値が存在するならば、それを共有し得ない者を排除する暴力的な社会が生じてしまう。 この問題に対して、本研究が見いだしたニーチェの「率先垂範の倫理」とは、各人の生きざまが後続の者たちに意味ある生き方の例として示される、という考え方であり、さまざまな生き方の平和的共存が可能な考え方の一つであることが明らかとなった。
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