研究課題/領域番号 |
18K00104
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上尾 真道 京都大学, 人文科学研究所, 研究員 (00588048)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フロイト / ラカン / 情動 / 異他性 / 女性的享楽 / サントーム / トラウマ / ミシェル・アンリ / 情動性 / 非理性的間隙 / アレクサンドル・コイレ / ジョルジュ・ギュルビッチ / フェルディナン・アルキエ / 存在権力 / マルクス / 性関係 / 痛みとしての情動 / アール・ブリュット / プリンツホルン / ランシエール / ジャック・ラカン / エルネスト・ラクラウ / ジュディス・バトラー / 精神分析 / 社会思想 |
研究成果の概要 |
本研究は、フロイトおよびラカンの精神分析理論を、20世紀の歴史的文脈を考慮に入れつつ検討することで、主体-他者間の「転移」的関係モデルに立脚する近代的情動論の、現代における限界を指摘した。同時に、生の経験の内部において異他性の受苦として現れるような情動性の次元について理論的に明確化した。さらに後者の情動概念の帰結を、政治思想、芸術、精神医療制度の三つの領域において検討し、そのそれぞれにおいて新たな実践的土台の手がかりを構想した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで精神分析の情動概念は、二者間における「転移」を基礎とする古典的臨床形態と結びついて理解されてきたのに対して、本研究は、それを超えた集団的かつケア論的な臨床体勢における情動性の理解の道筋を開いた点で、精神分析・思想史研究への新たな貢献をなしている。また政治・芸術・精神医療という具体的領域における検証は、現在行われている実践の解明ならびに将来に向けての建設的なプロジェクトの土台として、有効に機能することが期待されるものである。
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