研究課題/領域番号 |
18K00105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
中村 健吾 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70254373)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | シティズンシップ / 人権 / 相互承認 / 自由な自己意識 / 第3者 / 欧州社会権の柱(EPSR) / 欧州シティズンシップ / 社会的排除・包摂 / アクティベーション / 脆弱さ / 市民統合 / 欧州共通庇護制度 |
研究成果の概要 |
私はこの研究により、普遍主義的な人権と個別主義的なシティズンシップの諸権利とのあいだを架橋しうる哲学的な理路を開拓しようと試みた。標準的な理解によれば、人権は人間が単にに人間であるというだけで有している権利であり、国籍や性別や能力を原理的には問わない。それに対し、シティズンシップにもとづく諸権利のほうは、特定の政治的共同体の市民であるものに対してのみ認められる権利だとみなされる。しかしながら、諸権利の発展の歴史を振り返るなら、権利の享有主体が拡大する場合でも、道徳上の新しい要求が権利として認定される場合でも、人格性や権利内容に関して相互承認をめぐる闘争が生じていることが判明する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、法学においても哲学においてもその妥当根拠が依然として曖昧である人権の論理的な基盤を明らかにすることに貢献するものである。本研究はまたそのことをとおして、通常の理解にしたがえば特定の政治的共同体の成員資格を意味するとみなされがちなシティズンシップを、普遍主義的な人権の理念へ架橋していくための理路を明らかにする。そうすることによって、シティズンシップはもはや、個別主義的で静態的なシティズンシップの固定観念を越えて、21世紀においても欧州シティズンシップとして具体化されつつあるトランスナショナルなシティズンシップの構想を語ることができるようになる。
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