研究課題/領域番号 |
18K00119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
外山 紀久子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 名誉教授 (80253128)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 気 / 身体 / ポストモダンダンス / 実験演劇 / 環境 / 現前 / 雰囲気 / 気配 / エネルギー / 身体論 / 上演芸術 / 現代アート / 実験音楽 / 微細エネルギー / 舞踊 |
研究成果の概要 |
「気」という中国古代及び日本の前近代から継承された概念に着目し、1960年代・70年代のポストモダンダンスの再解釈を中心にその思想的背景と意義を多面的に捉え、狭義の芸術舞踊を超えた「拡大ダンス」の実践として考察する視点を提示した。関連して、現代アートにおいて近代の「自己表現としての芸術」からポスト近代の「自己変容のための芸術」への移行、さらにテクノロジーの加速度的な進化とともに「プロダクト」(作品)中心の芸術観から「プロセス」(生成の現場の経験)重視への転換が認められると考え、そこに現れてくる芸術の自己治療的機能が、心身及び環境の調整術としての気の身体論の系譜によって明らかになることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コロナ禍を挟み、生成AIやSNS等情報技術革新がもたらした生活世界の激変の中で、生身の身体の介在する経験の意味を改めて問い直す必要が浮き彫りになってきている。気、及び、それに類する前近代から伝わる考え方は、代替医療や修行・修養とともに、「身体の思想家」にして実践家である舞踊や演劇の領域で命脈を保ち続けているが、身体を持って/身体として、個々の環境に埋め込まれて生きる基本状況を再考する上でも重要な視点を提供する。本研究はアヴァンギャルド芸術の一部の再解釈にとどまらず、身体感受性の開発が、過剰なメディア情報の被膜を破って世界に触れる一助となりうることを訴えるものである。
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